ショーのクライマックスはソチ五輪(2014年)・フリーの「ラフマニノフ」。当時、完璧な演技を披露した後の浅田の涙に、もらい泣きした人も多い。今回は序盤を男性スケーターが順に滑り、中盤から浅田が登場する構成で、会場の手拍子も熱を帯びる。5人で天を仰ぎ、胸元に拳を当てた五輪と同じポーズでフィニッシュを決めると会場のボルテージも最高潮になり、拍手が鳴りやまない。
「あの場面は多くの皆さんが五輪で見てくださって、自分自身も思い入れがあります。ソチの演技は私ひとりで滑ったものではなく、みんなで助け合って大切につないだもの。その感謝の意味も込めて3人でつなげる構成にしました。
いまはコロナ禍で声は出せませんが拍手から気持ちは伝わりますし、マスク越しでも笑顔がわかります。スケートで全国へ元気を届けたいと滑っていますが、私も皆さんから元気をいただいています。残りの公演も精一杯、体力が0%になるまでやり尽くして恩返しをしたい」
そしてまたパワーをためて、次のステージへ進みたいと語る。気になる浅田真央の次なる一歩とは──。
【プロフィール】
浅田真央(あさだ・まお)/1990年9月25日生まれ。愛知県出身。バンクーバー五輪(2010年)銀メダリスト。この大会で、女子シングルで史上初めて1つの競技会中に3度の3回転アクセルを成功させてギネス認定される。2017年に引退後は、数々の番組にも出演。『浅田真央サンクスツアー』の詳細は公式ホームページへ。
取材・文/渡部美也 撮影/田中智久
※女性セブン2021年4月15日号