しかも、政治の混乱はさらに深まる。「4月解散、5月総選挙」で菅首相が退陣に追い込まれた場合、五輪の日程を考えるとすぐに後継総理・総裁を決めなければならない(自民党総裁選で党員投票を実施すれば1か月近い期間がかかる)。次の首相は五輪を開催するだけの9月までの超短期暫定政権になる可能性が高い。細田派幹部が語る。
「安倍さんは、そのときは麻生さんにワンポイントで登板してもらって、二階幹事長をはじめ、武田良太・総務相、田村憲久・厚労相などの問題閣僚を一掃するつもりでしょう。そうして安倍・麻生体制をつくった上で9月の総裁選でニューフェイスの総裁を選ぶことになる」
就任7か月で早くも政権末期になっている菅首相の次は、「超短命」の麻生暫定政権へのたらい回しなど国民は望んでいない。
だからといって、菅首相がここで解散を断念すれば、政権はいよいよ求心力を失う。菅首相が自爆解散を選んでも、解散断念でも、この政権には終わりが見えている。
※週刊ポスト2021年4月16・23日号