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告知後、すぐに卵子凍結をした(写真は2019年10月)

採血8本、おしりに筋肉注射、生理中に内診

 翌日から早速、卵子凍結の準備が始まった。卵子凍結は自由診療で、医療機関によって価格はさまざまだが、決して安いものではない。

「遠藤さんに卵子凍結の話をしたら、『もしそれ(凍結された卵子)を使うことになったら自分の子でもあると思うから』と言って、40万円をすぐに貸してくれたんです! 私が入っていた生命保険のがん一時金でそのお金はきっちり返しましたけど、あのときはうれしかったです」

【2018年10月6日(土)】
〈採血8本もして、おしりに筋肉注射して、生理中なのに内診もして。すごく痛かった。ただふつうに子供が欲しいだけなのに。病気になったのが悲しくて悔しい。人生くるいまくりだわ〉

 卵子凍結をするまでには、「排卵誘発」「採卵」「凍結保存」というステップがある。

「私の場合は、筋肉注射を打って複数の卵子を成熟させました。その後、膣から入れた30cm以上ある『採卵針』を卵巣に刺して採卵を行いました。その採卵がすごく痛いんですよ! 耐えられなくて途中で麻酔をしてもらいました。痛かったのは卵子が多かったせいもあるみたいで、採卵できるのはだいたい10個程度らしいんですが、私は21個採卵できました(笑い)」

 和さんは2018年10月17日に卵子を凍結保存。2019年12月に将一さんと結婚すると、凍結した卵子を使うことなく、1月には自然妊娠を果たした。しかし、妊娠中に両卵巣へのがん転移が発覚。娘を出産後に卵巣の摘出手術を受けた。腫瘍の重さは2.5kgで、980gで生まれた娘の約3人分だったという。

 その娘は、もうすぐ9か月。

 がん闘病と卵子凍結と出産を振り返って、和さんはいま何を思うのか。

「結果的に卵巣を摘出することになったので、あのとき卵子凍結を選択して、本当によかったと思っています。卵巣摘出を告げられたときは落ち込みましたが、『青森の産婦人科に行けば、私の卵子が21個凍結保存されている』と思ったら、前向きになれた。1年に1回、保存を継続するために更新料を払うんですけど、『第二子以降も諦めなくていい』という希望に投資していると思っています」

※女性セブン編集部では、遠藤和さんへの応援メッセージを受け付けています。

◆お手紙
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小学館 女性セブン編集部
遠藤和さま

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