習近平・国家主席(中国通信/時事)

習近平・国家主席(中国通信/時事)

習近平がコワイ

 そんな日本政府の足元をみて中国側は言いたい放題だ。中国外務省の華春瑩・報道局長は3月25日の会見で、加藤勝信官房長官が「深刻な懸念」と発言したことについて、こう反論した。

「日本は慰安婦問題という人道上の犯罪で言葉を濁している。彼らは人権を尊重していると言えるのか」
「日本の侵略戦争で3500万人を超える中国人が死傷し、南京大虐殺で30万人以上が犠牲になった」

 ──と“中国側の歴史認識”を持ち出して非難したうえで、日本に「歴史を直視し深く反省し、言葉を慎むように望む」と居丈高に言い切った。

 日本が少しでも批判がましいことをいえば、中国は“口撃”も100倍にして返してくる。情けないのは、そこまで言われても、日本政府が再反論もしないで黙り込んでしまうことだ。

 政府の体たらくぶりにさすがに自民党内からも、「中国に反論すべき」という声があがっている。外務副大臣や自民党外交部会長を歴任した城内実・代議士が語る。

「中国が歴史の捏造や歪曲で日本を批判して黙らせようとするのは常套手段だが、これまで正面から反論しなかったから対等な関係でものがいえなくなった。

 日本は『中国が日本の80年近く前の戦前の歴史問題をいうのは、自分たちが現在やっていることを隠すためだ。言うべきことは言う』と反論し、対等の立場で中国に『これ以上、人権を弾圧するなら日中友好は崩れますよ』と警告して、態度を改めさせる努力をするべきです。

 不買運動や邦人拘束などの嫌がらせを怖がってはいけない。日本との経済関係が悪化すれば中国も困る。日本と同様に中国との経済的結びつきが強いドイツのメルケル首相も、こと人権問題では中国制裁に踏み切った。

 ここで日本が怯んで制裁に加わらなければ、国際社会に日本は人権に鈍感な国だという間違ったメッセージを送って信用を失うことになりかねない」

 中国に「NO」と言えずにいい顔をする外交が、まさに国を危うくしている。

※週刊ポスト2021年4月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン