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東京五輪と揺るがぬ民意 国民はとっくに危機感を持っている

二階俊博・幹事長の“奇言”が目立つように(時事通信フォト)

二階俊博幹事長が意外な発言(時事通信フォト)

 ちなみに、同様の世論調査を海外に対して行った結果もある。公益財団法人「新聞通信調査会」が3月20日に、米国、フランス、中国、韓国、タイの五か国で調査したのだが、そこでは「中止すべきだ」と「さらに延期すべきだ」を合わせた回答がすべての国で7割を超えた。高い順に並べると、タイが95.6%、韓国が94.7%、中国が82.1%、米国が74.4%、フランスが70.6%。世界の民意もまた同じだった。

 そうした空気を感じてのことなのかどうか、真意は測りかねるのだが、4月の15日に自民党の実質的ドン、二階俊博幹事長がTBSのCS番組収録で意外な発言をした。五輪開催に新型コロナの感染拡大を心配する声があるという司会者の促しに、こう答えた。

「それはその時の状況で判断せざるをえないですよね。これ以上とても無理だということだったら、こりゃもう、スパッと止めなきゃいけない」

 ちょっと驚いた司会者が、「そういう選択肢もある?」と問いただしたらこうだ。

「そりゃ、当然ですよね。オリンピックでたくさん感染病をね、蔓延させたっていったら、これは何のためのオリンピックかわからんですよね」

極めて常識的でまっとうな感覚

 二階幹事長、まったくもって正しい。極めて常識的でまっとうな感覚だ。後日、弁解めいた追加コメントを出していたが、発言を撤回まではしなかった。与党内部から、しかもトップから五輪中止の流れが作られていく?  そううまくいくかどうかはわからないが、期待したいところである。

 この発言から少し経った19日、今度は山梨県の長崎知事が、記者会見の中でこれまた意外な発言をした。記者から東京五輪の開催について見解を問われたところ、「いちばん重要なのは国民や県民の生命や健康で、オリンピックのほうが県民の命より大切ということはありえない。国民や県民の健康に極めて大きな深刻な影響を及ぼすような感染状況であれば、オリンピックをやっているどころではない」と述べたのである(NHK記事より)。

 長崎知事は二階派だそうだが、やはりまっとうなことを言っている。開催時期は感染の第五波が来ているころかもしれない。そんな状況下、オリンピックをやっているどころではないのである。二階、長崎に続く、常識的な発言がどんどん出てくることを願う。

 そういえばちょっと忘れかけていたが、4月6日の報道で、この夏の東京五輪について、「新型コロナウイルスによる世界的な保健の危機状況から選手たちを守るため」参加しない方針を明らかにした国があった。北朝鮮である。自国のコロナ禍で五輪代表団を海外に派遣する余裕がないから不参加表明したとされているけれども、言っていることは正しい。日本にも堂々と開催中止を表明していただきたい。

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