ビジネス

コロナ禍で売れた住宅、売れなくなった住宅 「仕事場」需要で価格は上がるか

寝室などを改造して仕事部屋にできる人はまだ恵まれている(時事通信フォト)

寝室などを改造して仕事部屋にできる人はまだ恵まれている(時事通信フォト)

 都会に住むサラリーマンの住まいに対する需要の中身が変わりつつある。「もはや住まいの主な役割は仕事場になった」と指摘するのは、住宅ジャーナリストの榊淳司氏だ。同氏が、長引くコロナ禍で激変する住宅市場の今をレポートする。

 * * *
 多くの人にとってこれまで住まいの役割は、主に「寝る」場所であった。特に都会に住むサラリーマンにとってはそういった傾向が強かった。

 仕事を終えて自宅に帰り、食事をとって、テレビやネットや読書を楽しんだ後は寝る。家族と一緒に過ごす時間はあまり長くない。翌朝は起きると慌ただしく朝食を済ませて出勤。これが多くのサラリーマンの日常風景であった。

 しかし、コロナがこういった当たり前の日常を変えてしまった。

自宅のリビングで仕事ができない人たち

 まず、職場がテレワークに切り替わった人は、自宅が主な仕事場になった。

 朝起きると朝食を済ませてパソコンを立ち上げる。そして日常業務のほとんどをパソコンでこなす。会議や打ち合わせや業務連絡もすべてパソコンで行う。場合によっては、一日中自宅で過ごすことも珍しくなくなった。

 コロナ前は、自宅で過ごす時間の大半は睡眠に充てられていた。しかし、テレワークが始まると、自宅で過ごす時間の半分以上は「仕事」のために使われた。そうした生活に切り替わると、これまで気付かなかったことに気付き、見えていなかったものが見えてきたりもする。

 例えば、自宅の中には仕事をするためにふさわしい場所がないことに気付いた人は多いだろう。小さな子どもがいる家庭では、リビングで仕事をすることもできない。特に昨年の4月と5月は、緊急事態宣言で学校も休校になったところが多かった。普段なら昼間は学校に行っているはずの子どもたちも、自宅で過ごしていたのだ。

 同じ部屋の中に家族がいると、打ち合わせや会議に参加できない。ネット上で顧客に向き合うことなど、到底不可能である。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン