日産が発表しているアリア「4つの特徴」
日産が発表したところによると、補助金を勘案すればアリアのスターティングプライスは500万円前後とのこと。欧州での最低販売価格は600万円弱と推定されており、恐らく補助金を80万円前後と見込んでの発言と思われる。日本では希望小売価格の最低線が580万円、最も高価なもので780万円前後といったところに落ち着くのではないか。
これだけの額をBEVにポンと支払える顧客層はかなり限られる。それを成功させるには潜在的な日産の高級車ユーザーの掘り起こしが必須だ。日産にとっては、まさにブランド復興の試金石と言えるだろう。
今日、BEVはもちろん普通に“電気自動車”アリアにそれだけのプライスタグをつけるに耐える商品力を持っているかどうかだ。昨年の概要発表当時、日産がアリアの特長として訴求していたのは、
(1)動力性能の高さと電動AWD(4輪駆動)「e-4ORCE(イーフォース)」がもたらすハイレベルな走り
(2)1充電での走行レンジの長さと急速充電の素早さ
(3)スリーク、シック、シームレスをうたったクールな外観とシンプルモダンな内装
(4)準天頂衛星を使った高精度な運転支援システムや最新のコネクトユニットを装備
といったところ。うちデザインについては個々人の好みによるところが大きいので割愛する。また高速道路でのハンズオフ(手放し運転)を可能とする改良版「プロパイロット2.0」やコネクティビティに関してはどのようなパフォーマンスを示すかは未知数だ。
現時点で判明しているのはアリアのスペック。ボディサイズは全長4.6m、全幅1.85mと、今日の標準的なコンパクト(日本ではミッドサイズ)SUVに相当するスケールである。
そのボディを走らせる動力は前1個、ないし前後に2個搭載される電気モーター。最高出力はモーター1個版が160kW(218ps)、2個版が205kW(279ps)から290kW(394ps)。最もハイパワーなものは0-100km/h加速が5.1秒と公表されており、内田誠社長は「スポーツカーの『フェアレディZ』と同等の加速性能」とPRしていた。
BEVの走行レンジを決めるバッテリーは総容量65kWhと90kWhの2種類。100%充電からの走行可能距離の公称値は最も短いもので430km、長いもので610kmであるという。