専門性が高い病気の薬でなくとも、使い分けによって差が付くケースもある。
「頭痛や腰痛、生理痛などに処方される鎮痛剤も、医師がきちんと使い分けてくれるかは重要です。
たとえば痛みが軽度のときは副作用が少ないアスピリンを使い、局所にはっきりとした強い痛みがあるときはロキソプロフェン、それでも抑えられないときやひどい歯痛はジクロフェナクナトリウムといった形で使い分けます。ただ、ジクロフェナクナトリウムは副作用が強く、普段遣いにはしない方がいい」(長澤さん)
薬を替えたいときはストレートに
1錠の薬を替えるだけで、これほど症状に変化があるならば、替えない手はないだろう。しかし、自由に購入できる市販薬とは違い、処方薬は医師の判断で提供されるもの。専門家の知識と経験をもとに処方された薬を「替えてほしい」と切り出すのには勇気がいるかもしれない。しかし谷本さんは「ストレートに伝えるべき」とアドバイスする。
「のんでも体調が改善しなかったり副作用に悩まされたりしている場合は理由とともにはっきり伝えてほしい。特に体の状態は患者本人にしかわかりません。
たとえばふらつきは外からではわかりづらいので、自覚症状を詳しく医師に説明すること。ただし『この薬はダメだ』という全面的に否定するような言い方ではなく、『副作用が気になる』とか『ほかの薬を試したい』といった伝え方をするといい。
担当医に聞いてもらえないようなら、別の医師にセカンドオピニオンをもらってもいいでしょう」(谷本さん)
自分の体を守れるのは自分だけだということを、あらためて思い出してほしい。
※女性セブン2021年6月10日号