「だんだんと“考えないといけないのかな”と思うようにもなりました」(高田氏)

「だんだんと“考えないといけないのかな”と思うようにもなりました」(高田氏)

 その上で、こんなふうに締めくくった。

「安楽死と尊厳死についての考えは、自分の年齢や心身の状態だけではなく、周りの環境によっても変化すると思います。

 安楽死を否定はしませんが、死というのは自分だけのものではない。『家族のためにまだ死ねない』ということもあり得るでしょう。“周りに対する責任を果たせた”“自分の役割は終えた”と思って死にたいですね」

もし、家族が死を望んだら…

「自分の最期は安楽死でもいいけど、家族が重病の時に死なせる決断ができるかといったら、それはできない」

 そう語るのは、元日本サッカー協会副会長の釜本邦茂氏(77)だ。この問題を考える時、“家族が苦しんでいたらどうするか”という視点も重要だ。

 理想の最期を「両親のような逝き方」だと言う釜本氏は、2003年、2004年と、続けて両親を見送った。90歳で他界した母、95歳で亡くなった父ともに、「誰にも迷惑をかけない最期」だったと振り返る。

「死に目には会えませんでしたが、両親の逝き方が僕の理想。母は自宅の布団で眠るような最期を迎え、先に母を亡くした父は、老人ホームに入居した1年後に逝きました。2人とも最後まで認知症もなく、身の回りのことも自分でできた。あんな最期を迎えたいと思います」

 そうした両親の最期を手本とする釜本氏は、「家族に迷惑をかけたくないから、安楽死と尊厳死に賛成」の立場を取る。法整備も進めたほうがいいと考えている。

 ただ、「あくまでそれは選択肢のひとつ」とも強調する。

「知人のなかには過剰にも思える延命治療を受けている人がいる。その家族はやはり、看護や介護で大変な思いをしています。そういう状況を見ると、自分が周りに迷惑をかけないためには、尊厳死はもちろん、安楽死でもいいと思っています。

 けれども、家内や子供たちが生死の境にいるような事態になったら、一日でも長く生きてほしいと願うでしょう。今回の取材に答えるにあたって家内に聞いたら、『家族には(安楽死の判断を)できない』と、私と同じことを言っていました」

 家族が安楽死や尊厳死を望んでいたら、その考えを支持できるのか──。

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