同じ自転車競技では、トラック代表の梶原悠未(24)も二足のわらじを履くライダーだ。昨年2月、ドイツのベルリンで開催された世界選手権・女子オムニアムで日本人女性として初めて頂点に立った彼女の場合、もうひとつの肩書きは大学院生である。コロナ禍の授業はオンラインが中心とあって、むしろ練習に時間を費やせたのではないだろうか。
「むしろ課題の量が増えたし、自宅で勉強しなくてはならず、より過酷になりました。昨年末までは10時間勉強して、2時間トレーニング。今年は2~3時間勉強して、5時間ほどトレーニングです。私には長年の夢がある。オリンピックで金メダルを獲得することです。朝目覚めた時から夜眠りにつくまで、頭から離れない。残りの時間も夢へのビジョンを思い浮かべながら自分自身が成長していきたい」
文武両道を走り、そして彼女は東京五輪にたどり着いた。
■取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)