頭痛や発熱などに加え、現在では新型コロナのワクチンを打った後の副反応に備えて常備するケースも増えているが、服用する成分にも注意が必要だ。佐藤さんが言う。
「アスピリンやロキソプロフェン、イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬は体への負担が大きいため、避けた方がいい。のむならば、抗炎症作用の少ないアセトアミノフェンを主成分とする薬の服用を推奨します」
体に負担をかける可能性があるのは胃薬も同様だ。健康増進クリニック院長の水上治さんは、特に「H2ブロッカー胃腸薬」の影響を懸念する。
「消化不良やちょっとした胃痛時に、胃酸を抑える『H2 ブロッカー』を配合した胃薬をのむのは、避けた方がいい。胃酸が減ることによって消化力が落ちるうえ、殺菌力も弱まる。その結果、食中毒を起こすリスクさえある。胃潰瘍などの重篤な状態であるならともかく、少しの不調で服用する薬ではありません」
医師が“日常遣い”を疑問視するのは一時、コロナ対策として品切れになった「うがい薬」も同様だ。
「効果がはっきりしないうえ、主成分である『ポビドンヨード』は口やのどの粘膜を傷めたり、甲状腺に悪影響を与えたりする可能性もある。水道水のうがいで充分です」(谷本さん)
コロナうつの薬が逆効果に
ステイホームの弊害で、高血圧や高コレステロール血症など、生活習慣病が増加している。最も一般的な治療法は定期的な投薬だが、高橋さんは懐疑的だ。
「高齢になれば動脈硬化が進むため、血圧が上がるのは普通のこと。にもかかわらず降圧剤で無理に下げてしまえば低血圧の状態になり、頭の働きが悪くなる。実際、高血圧でも元気だった高齢者が薬をのんだことで頭に血が回らなくなり、ぼうっとしてしまう例は少なくありません。認知症患者の増加は降圧剤が原因だとする説もあるほどです。
また、コレステロール値を下げるために多く処方されている『スタチン』には、手足のしびれや筋肉が破壊される横紋筋融解症などの副作用が。私はのみ続けるのは危険だと考えています」(高橋さん)