幅広い役柄をこなしている
そうした“仲間”が“本人役”で数多く出演していた今年1月期のドラマ『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』(テレビ東京系)。向井は、視聴率最下位の銀行ドラマ『大合併』に“主演”していた。登場から「向井という割に向かい風に弱い」とキャプションがついたことに驚かされたが、その後も共演者が向井に気遣いながらも、結果的にイジリ倒されるシーンの談積みに、これは誰よりも「挑戦」なのではないかと思ったものだ。
台詞とはいえ、「ぼんち おさむ」に倣い、「理科の理と書いて、おさむちゃんでーす!」をやりきったのだから。
結婚で古参ファンの一部が離れた?
『ゲゲゲの女房』(NHK)よりも前から取材を続けていた私は、彼が「イケメン」という括りの特集で不機嫌になったことを振り返りながら、本当に“イケメン”の“主役”が居心地悪かったのかもしれないと思ったものだ。
そういえば、古参ファンは彼を「ドS」とも言っていた(苦笑)。デビューが遅かった彼は、チヤホヤしてくれるファンを相手に「がんばりま~す」「よろしくお願いしま~す」と懸命にアピールするような若手とは明らかに異なり、一筋縄ではいかないタイプだった。
過去のドラマでは『ママさんバレーでつかまえて』(NHK)や、初主演作『傍聴マニア’09~裁判長!ここは懲役4年でどうすか~』(日本テレビ系)などはコミカルなもので、『傍聴~』で共演した六角精児とは年齢差を超えて仲がいい。六角といえば、ギャンブル好きでバツ3と破天荒な素顔で有名である。向井には“六角寄り”な面もあるのかもしれない。
その六角は2018年4月、『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で、「チヤホヤされても振り回されず、意思を貫いてあそこまで到達した向井理はカッコイイ」と絶賛している。
この言葉は、まさに現在の向井を表しているのではないか。こうした真のプロフィールが、40代目前となり、やっと本人と一致し、女性ファンからも「自分があって素敵」という評価に繋がっているのかもしれない。
さて、「あと一年、待て」と事務所から言われて、結局、三年近く待ってゴールインした国仲涼子との結婚では、古参ファンの一部を失ったのは事実だ。結婚直前、ブログを突然閉鎖した際にも多くのファンを落胆させたと言われている。