あれは自慢。告白って誤魔化すのはやめてほしい
それまでもアニメオタクということでタチの悪い輩に目をつけられてはいたが、皮膚病によって攻撃はエスカレートした。雑巾を絞った水を飲まされ、下半身丸出しのままベランダに締め出され、皮膚疾患が伝染する、バイキンだのと散々だった。もちろん伝染しない病気だが、いわゆる「エンガチョ」、触ると汚いと侮辱されたという。県下有数のナンバースクールに進んでその地獄から開放されたが、地元を離れたい一心で猛勉強したという。
「治しようがないものを言われるのって本当に辛いです、本人にはどうにもなりません」
筆者も寛解したが尋常性乾癬持ちなので気持ちはわかる。本人の努力でどうにかなるものではない。巷では障害や先天性疾患すら子宮にいるときに自分で選んだという悪質なオカルトが跋扈しているようだが、障害者や疾病患者にすればたまったものではない。
「だからあの小山田圭吾の校内犯罪自慢はゾッとしました。トラウマが蘇りました。中学時代に引き戻されましたよ」
元フリッパーズ・ギターでコーネリアスのミュージシャン、小山田圭吾が太田出版「Quick Japan」1995年Vol.3のインタビューで、かつて通っていた和光学園で凄惨ないじめという名の暴行と侮辱をしていたと得意げに語った「自慢」である。それに先立つ1994年、音楽誌「rockin’on」のインタビューでも自身の行為を面白おかしく述懐している。
「この件で初めて知っただけに衝撃でした。あんなふうに成功した人が得意げに語ってたなんて恐怖です。僕がされた虐待にも似てました」
全裸にしてグルグルに紐を巻いての自慰行為の強要や、食糞させた上でのバックドロップ(「rockin’on」1994年1月号)、下半身丸出しにして廊下を歩かせる(「Quick Japan」1995年Vol.3)、などおぞましい所業を小山田圭吾は本当に楽しそうに語っている。この暴行はSくんとMくんという生徒に実行された。その他にも聾唖者、小人症、ダウン症とあらゆる障害者に対する差別と嘲笑が盛り込まれている。まさに鬼畜の所業、おしゃれの皮を被った渋谷系悪魔のインタビューで、過去記事とはいえ辞任も当然である。それにしても気づかなかったのか知らんぷりだったのか、昔から独特の教育と校風を持つ学校なのは承知しているが、当時の和光学園もどうかしている。
「告白じゃないです。あれは自慢です。あれを告白と誤魔化すのはやめてほしい」
霊夢くんの言う通り、どう読んでもあれは犯罪自慢である。掲載時は問題にならなかった、ということを主張する業界人がいるがそんなことはない。当時も「Quick Japan」の企画に関して、パソコン通信のBBS では批判的な意見が散見された。
「僕はリアル世代じゃありませんが、反社会的で鬼畜な雑誌があったことは知っています。でもブームというほどでしょうか、その手の業界ではブームだったかもしれませんが」