感染対策をすっかり忘れる
インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁さんは「抗体の有無」に注目する。
「ワクチンを接種しても、感染を防ぐための抗体ができない人が数%はいます。実際に私のクリニックで60人に2回接種したケースでも、抗体ができない人が3人いました。しかもワクチンを積極的に接種するのは、健康に不安がある人。そうした人は体力や免疫力の低下などで抗体ができにくい可能性があり、ワクチンを接種しても感染リスクが残りやすい。
そうした人が『2回接種したから安心』と出歩いたり、マスクや手洗いなどの感染対策を怠ると、当然、コロナに感染してしまいます。イギリスでも“接種済み”の慢心から、すっかり感染対策を忘れて街中に出かけた人が多いのではないでしょうか。それは高齢者よりも、社会的にも活動的である若い世代が多いはずです。そうした若者こそ、デルタ株の感染を招いて死亡者を増やした原因かもしれません」(倉持さん)
イギリスではワクチン普及後、全体の死亡者は減っている。季節的な要因や、治療の精度の向上によるものもあるかもしれないが、ワクチンが「脱コロナ」の1つの解決策であることは間違いない。だからこそ、「接種後に何が起きるのか」には細心の注意を払い、分析を続けていくべきだろう。
※女性セブン2021年8月12日号