また、『とんねるずのみなさんのおかげでした』の名物コーナー、「新・食わず嫌い王決定戦」にもアスリートが時折出た。
驚くのは、オリンピックの直後に注目を集めた選手が、この番組に出ていたことだ。2012年のロンドン大会でメダルを獲得したフェンシングの太田雄貴は競泳の寺川綾と対決、同じ年には、ともに国民栄誉賞を授与された吉田沙保里と澤穂希も元気よく出演。吉田は、世界大会13連覇にちなんで贈られた直径13ミリの真珠の記念ネックレスや獲得した三つの金メダルを披露。澤はロンドン大会の銀メダルを出しながら、金メダルを期待され、正直プレッシャーだったと本音を語った。
話題の人を直ちに出そうと動く番組と出演をOKするアスリート。五郎丸は、番組冒頭「ここに座っているという時点でおかしい」と自分が時の人になった驚きを語った。そういう「席」を用意できるかは、テレビの力ともいえる。今のテレビで、果たして視聴者が「ここに出てほしい」と願い、「ここに座っている」とアスリートが感動できる席があるか。
思い浮かんだのは、『徹子の部屋』と『紅白歌合戦』の審査員席であった。『徹子の部屋』には、今後、アスリートや監督が出演するだろう。日本の金メダルが過去最多となったこの大会。これから「東京パラリンピック2020」もあることを考えると、誰が「紅白」の審査員席に座ることになるのか。早くも気になってきた。