ライフ

頭痛専門医が教える「脱・鎮痛剤」プロセス 睡眠時間の見直しが重要

頭痛の専門医である大和田潔院長が解説

頭痛の専門医である大和田潔院長が解説

 薬を服用するストレスやリスクから患者を解放する“断薬”。しかし、「なにをどうすればいいのか」と疑問を持つ患者は多いだろう。そこで今回は頭痛治療などで使われる鎮痛剤について、「断薬に至るプロセス」を専門医に詳しく指南してもらった。

「頭痛外来」がある秋葉原駅クリニックの大和田潔院長は、25年間、頭痛診療に携わってきた。

 転院してきた患者の多くが、「頭痛を抑えたいから、もっと強い鎮痛剤はありませんか」と訴えるという。大和田院長のもとを訪れた35歳男性Aさんもその一人で、初診時には鎮痛剤を月に20回、片頭痛の治療薬を15回、さらに頭痛予防薬や抗うつ剤までも服用していた。

「頭痛は大きく分けて、脳血管の拡張による片頭痛と肩こりなどによる緊張型頭痛の2種類あり、Aさんは両方が混在していた。原因は不明とされ、両方に対応するために多くの薬が漫然と処方されていたのです。

 Aさんの睡眠時間は4時間で通勤に1時間半かかり、仕事も残業続きでした。頭痛治療で睡眠時間の確保は極めて大事です。『通勤時間を短くできないか』と話したところ、職場近くの会社所有の住居に引っ越せました。これで通勤時間が20分に短縮され、睡眠時間が大幅に増えたのです」

 翌月には頭痛の回数が減り、2~3か月後には鎮痛剤は月7回、片頭痛の治療薬は5回に減らすことができた。現在は鎮痛剤を月に2~3錠飲む程度にまで減ったという。

「頭痛治療では断薬はゴールではなく、少量の鎮痛剤で安定して日常生活が送れればゴールです。月2~3錠でスッキリするなら問題ないでしょう。多量の鎮痛剤を飲んでいるときは頭痛がいったん治まるものの、ボンヤリ重い感じが残ります」

 この男性のように3~4種類も処方されていると、1か月の医療費が5000円を超える。金銭面でも減薬、断薬するメリットは大きい。

 ただ、大和田院長は「内科的アプローチだけでは改善できないことがある」と言う。

関連記事

トピックス

声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン