芸能

“ポンコツ”がハマる中川大志 コメディを一手に担う若手の筆頭株

(写真/公式HPより)

“ポンコツ”の殺し屋で視聴者を魅了(写真/公式HPより)

 早くも折り返しへと突入した中川大志(23才)主演のドラマ『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系)。中川がプライム帯の連続ドラマで初主演を飾っていることもあり、放送開始早々から注目を集めている。SNSなどの口コミには、「中川大志はコメディも上手い」、「主人公のポンコツ具合がクセになる」など、中川の好演に釘付けの視聴者も多くいるようだ。見る人を惹きつける中川の魅力について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。

 * * *
 本作は、過激な展開が話題となったドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)や、第43回日本アカデミー賞において最優秀脚本賞を受賞した映画『翔んで埼玉』などの脚本を手掛けてきた徳永友一(45才)らによるオリジナルドラマ。育ての親を殺された柊(中川)が、新木優子(27才)演じるヒロイン・美月に復讐を果たすべく、表向きは平凡な青年、裏の顔は殺し屋として奮闘していく物語だ。視聴率こそ奮っているとは言えないが、なんとも中毒性のあるドラマである。

 その理由が、殺し屋を演じる中川のアンビバレントな感情表現の巧さだ。殺し屋が主人公の物語とあって時に展開はシリアスだが、彼はなんとも間の悪い男。緊張が張り詰めたシーンでも彼の滑稽さが際立ち、その上ターゲットの美月に対して恋心を抱くようにもなる。ジャンルとしては、“サスペンス・ラブコメディ”と呼べるだろう。本作は主人公の一人称視点で語られていく作品のため、主演を務めるには相応の実力が求められるが、中川は殺意と良心のはざまで揺れる心情を見事に表現し、物語の舵を切っていると思う。

 この特異な物語に配されたキャスティングにも注目だ。柊を実の息子同然に育てながら、どこか仲の良い先輩後輩のような関係を築いてきた丈一郎役の藤木直人(49才)は、第1話で殺害されてしまうのだが、柊の記憶の中に登場し、諭すようなセリフ回しで柊との特殊な距離感を見せている。新木演じるヒロインの美月はクールで強気な性格の持ち主で、終始ポーカーフェイスでいるのが印象的だが、柊の言動に対する心の機微を繊細に表情に乗せている。

 また、柊とは対照的な“殺し屋界のエース”を鈴木伸之(28才)が多少オーバー気味に演じることで、本作の盛り上げ役を買って出ている印象。こんな一筋縄ではいかないキャラクターたちに扮する面々を、弱冠23才の中川大志が率いているのだ。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン