ライフ

福山雅治が購入かと話題のレトロ鉄道車両 保存・展示先の候補はどの駅か

千綿駅開業90周年イベントで駅に停車する佐世保行き区間快速「シーサイドライナー」(時事通信フォト)

千綿駅開業90周年イベントで駅に停車する佐世保行き区間快速「シーサイドライナー」(時事通信フォト)

 見た目が歴史的遺産として誰からも認識されるか、歴史が大きく動くような技術的革新を伴っていたか、このどちらかだと保存されやすいが、日常の風景に溶け込んで親しまれたものは、なかなか保存への機運が高まらない。何かというと、鉄道車両の話である。運行を終了し解体を待つばかりだった鉄道車両が、長崎出身の福山雅治が話題にしたことで、解体される車両の運命が変わろうとしている様子を、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 長崎県の長崎駅と佐世保駅との間を結んでいたキハ66形・67形が、今年6月30日に運行を終了した。

 鉄道に詳しくなければ、長崎県民でもキハ66形・67形と言われてもピンとこない。暗号のような記号は、鉄道車両を識別するために振られている。「キハ」の「キ」は気動車、「ハ」は普通車という意味を表している。

 この記号のつけかたは、JR前身である日本国有鉄道が使用していたものが今も引き継がれている。由来から想像できるように、キハ66形・67形も1970年代に筑豊地区のために製造された。

 そして、2001年10月以降は長崎本線・大村線・佐世保線を走るシーサイドライナーという列車で使用された。県庁所在地の長崎市と佐世保市を行き来する快速列車ということもあり、長崎県民だったら誰もが乗ったことがある車両だ。引退間際には、地元の新聞やテレビがこぞって同車両を取り上げた。それほど、長年にわたって親しまれていた。

 現在の所有者であるJR九州は、引退後のキハ66形・67形の去就について廃車・解体することを表明。名車の誉が高い車両だけに、長崎県民や鉄道ファンからは廃車・解体を惜しむ声が多く聞かれた。そして、博物館や公園などに保存・展示を求める要望が相次ぐ。

「長崎県には長崎歴史文化博物館という県立のミュージアムがあり、そこでは長崎にゆかりのある文化財を多く保存・展示しています。しかし、キハ66・67を引き取るという話は出ていません。JR九州からも打診はありません」と話すのは、長崎県文化観光部文化財課の担当者だ。

 長崎県では無理でも、長崎市や佐世保市、大村市、諫早市といった沿線の自治体にも博物館や郷土資料館といったミュージアムがある。また、公園の一画に鉄道車両を展示するケースだってある。そうした形で引き取ることはできないのだろうか?

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン