国内

世界遺産登録の縄文遺跡群 歴史作家のお薦めは「ストーンサークル」

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成遺産の一つ、青森県の三内丸山遺跡(時事通信フォト)

「北海道・北東北の縄文遺跡群」構成資産の一つで、国の特別史跡に指定されている青森県の三内丸山遺跡(時事通信フォト)

 五輪とコロナ関連のニュースがメディアを席巻するなか、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」がユネスコの世界自然遺産に、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が同じく世界文化遺産に登録された。後者を構成するのは北海道、青森、岩手、秋田の4道県に点在する17の縄文時代の遺跡である。これらについて歴史作家の島崎晋氏が解説する。

 * * *
 オンラインで行なわれた世界遺産委員会の公式発表は、7月27日午前7時だった。NHKの報道によれば、青森県では三村申吾知事と40人あまりの関係者が特設会場でインターネット中継に熱い視線を注ぎ、登録が決まると、会場は大きな拍手で包まれた。

 三村知事は「耐えて耐えて耐えて、ついに世界文化遺産にたどりついた。歴史的な喜びの瞬間を皆さんと迎えることができたのをうれしく思う。4道県の皆さんが力を合わせて目標を達成できたかけがえのない遺産をしっかり守っていきたい」とコメントした。

 同じく結果を見守っていた北海道の鈴木直道知事も、「世界文化遺産への登録は長年の悲願だったので、皆さんとともに喜びたい。まずは国の内外に、北海道の宝、世界の宝を知ってもらうため、多言語で動画を作成して発信するとともに、関係自治体と連携して将来、多くの人に訪れてもらうための方策を検討したい」と、今後の観光客の訪れに大きな期待を寄せている。

 北海道と北東北3県は登録のために手を携え、長い歳月、ユネスコへの働きかけを続けてきた。それがようやく実ったことで、関係者の喜びはひとしおのようだ。ところで、青森県青森市の三内丸山遺跡や同県つがる市の亀ヶ岡石器時代遺跡のように、すでに一定の知名度がある場所は別として、世界遺産となった他の縄文遺跡にどんな特徴があるのか。見どころが広範囲に散らばっているが、歴史に詳しくない人はどこを訪問するのがベストなのか。

祖先の文化を再発見できる

 見た目のわかりやすさで選ぶなら、秋田県鹿角市の大湯環状列石が一番のお薦めである。英語で言うストーンサークルと聞けば、興味を持つ人が多いかもしれない。また、遺跡名だけではわからないが、青森県青森市の小牧野遺跡、秋田県北秋田市の伊勢堂岱遺跡、青森県弘前市の大森勝山遺跡も環状列石である。

関連記事

トピックス

デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン