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永島敏行 高倉健さんからの「屈辱がエネルギーだ」の言葉に受けた感銘

『駅 STATION』では田中邦衛とも共演している。

「『若大将』シリーズを僕は全部観てるんです。その青大将と仕事できるなんて、こんな幸せなことはないと思いました。

 邦衛さんは父親と同い年でした。終戦の時に十三歳なんですよね。一番の思春期の特に、あの八月十五日をもって世の中が全く変わってしまった。だから自分が何を信じればいいのか─ということを、いろんな時に話してくれるんです。

 戦争という時代を過ごした方々、戦争に行っていなくても、その時に青春時代を過ごした人たちの想いを聞くことができました。それは、菅原文太さんもそうです。

 戦争って、経験しない方がいいのは当たり前なんですが、ただ、物凄い時代を経てきた人たちの言葉──言うせりふの一つ一つが、その人が人生で何を経験してきたのかで響きが全然違う。それを間近で見て経験させていただきました。それは非常に嬉しいことでした。

 小津安二郎監督の映画を観ていても思います。

 笠智衆さんにしても、加東大介さんにしても、なんであんなに重みが違うのか。それは、あの時代を経験してきた人だからこその、内面から出てくる言葉なんだと感じました。

 そういう意味で、この連載のタイトルの通りで『役者は言葉』なんだと思います」

【プロフィール】
春日太一(かすが・たいち)/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社)など。本連載をまとめた『すべての道は役者に通ず』(小学館)が発売中。

撮影/藤岡雅樹

※週刊ポスト2021年9月10日号

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