ライフ

コロナワクチン3回接種 副反応の重さは?打つのに慎重になるべき人は?

ワクチン3回目の接種について医師はどう考える?(時事通信フォト)

ワクチン3回目の接種について医師はどう考える?(時事通信フォト)

「医療従事者については11月以降、高齢者は来年2月以降に打ち始めることになる」──河野太郎ワクチン担当相は8月31日、新型コロナウイルスワクチンの「3回目接種」についてそう言及した。いずれ打つことになるかもしれない3回目の接種について考える。

3回目の副反応はどうなる?

 追加接種となると、やはり気になるのが副反応だ。国内で1回目より2回目のほうが副反応が強い傾向にあるとされたが、3回目はどうなるのか。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎医師が指摘する。

「理論的には3回目のほうが副反応が強く出てもおかしくないと考えられていましたが、イスラエルの医療機関の調査結果で、4500人のうち88%が2回目の接種に比べて3回目の副反応が『同等』または『軽い』と答えたという報告があがってきました。ただ、これはあくまで60歳以上の人のデータのため注意が必要です。40~50代の世代でどうなるかはまだわかりません」

 ファイザーのワクチンについては、臨床試験で56歳以上よりも55歳以下が2回目の副反応の頻度が高い傾向が報告されている。3回目についても、世代によって副反応の傾向が変わってくる可能性があるのだ。

3回目打つべき人、打つのは慎重にすべき人は?

 日本感染症学会ワクチン委員会委員長で鹿児島大大学院の西順一郎教授はこう語る。

「3回目接種を検討したほうがいいのは、65歳以上の高齢者、基礎疾患のある人、高度の肥満の人です。そうした人たちは感染すると死亡するケースがあり、現在の医療現場の逼迫を鑑みると、感染によって基礎疾患が悪化した際、コロナと併せて対応できる病床がさらに限られるので、接種しておいたほうが良いと考えられます」

 ナビタスクリニック理事長の久住英二医師もこう続ける。

「臓器移植を受けた人やリウマチなどの自己免疫疾患で免疫抑制剤を使用している人はワクチンの2回接種で得られる抗体価が非常に低いことがわかっています。そのうち約半数の人は3回接種することで抗体価が上がることもわかっているので、3回目を検討するのは合理的判断といえます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン