芸能

横山剣が語る昭和の歌の魅力「実験する余裕があった時代。手探り感がいい」

昭和の歌謡曲が好きすぎて…

昭和の歌謡曲愛を語る横山剣

 いままた注目度が高まっている昭和の歌謡曲やポップス。クレイジーケンバンドは昭和の名曲たちをカバーしたアルバム『好きなんだよ』をリリースした。横山剣(61才)が、昭和の音楽の魅力を語る。

 クレイジーケンバンド(CKB)は、ロックンロール、ポップス、歌謡曲、ソウル、ブルース、ボサノヴァ、レゲエ、ジャズなどを取り混ぜたカオスな音楽表現が持ち味。その独特な世界観はカバーアルバムでも変わらない。

「昭和という時代そのものが、西洋からいろいろな文化が入ってきて混沌としているんですよね。

 たとえば、『あまい囁き』はもともとイタリアの歌で、フランスのアラン・ドロンとダリダのコンビで大ヒットした歌なんです。

 でも、僕は中学時代に中村晃子さんの歌と細川俊之さんのナレーションで発表された日本版『あまい囁き』を聴いて『なんだ、コレは!』と大きな衝撃を受けました。

 当時、“早く大人になりたい”と思っていたときのことが忘れられず、今回のアルバムは邦楽限定と決めていたのに、うっかり入れてしまいました」(横山剣・以下同)

「マセガキだったんです」と笑うが、感性が豊かだったのに違いない。「好きな歌」をきっかけに、流行歌の世界を探求していく好奇心も旺盛だった。

「はじめて自分のお小遣いでレコードを買ったのは8才のとき。いしだあゆみさんの大ヒット曲『ブルー・ライト・ヨコハマ』でした。

 作曲家の筒美京平さんの存在が僕の中にしっかりとインプットされ、その後も『いい歌だな、作曲者は誰?』と確認すると、筒美さんということが多かった。そんなわけで気づいたら超リスペクトしていたんです。

 それで、今回は筒美さんの作品の中から『夏のクラクション』を歌わせていただきました」

『ブルー・ライト・ヨコハマ』

『ブルー・ライト・ヨコハマ』(1968年)、いしだあゆみ。今回のアルバムには収録されていないが、8才の横山がビビッときた一曲

緻密に計算された建築みたいに作られている

『好きなんだよ』の収録曲は、作者が見事なまでにバラバラだが、それも狙いなのだろうか。

「選曲した歌を並べてみて自分でも驚いたんですけど、作者が重複していないのは、たまたまです。ただ僕の中では、影響を受けた歌であるという共通項で結ばれています」

『好きなんだよ』というタイトル通り、好きで好きでたまらない歌をみっちり詰め込んだアルバムには、昭和を彩った歌全21曲が、CKB仕様で収められている。

「でも、好きな歌はほかにもいっぱいあるので、選曲するのが大変で……。ファンクラブのサイトで『カバー曲リクエストコーナー』を作って募集したら、300曲くらい寄せられて、このままだと10枚組CDになっちゃうよなと思って、今回は1970~1990年代の歌に絞りました。

 それに、どんなに好きでも、自分の声やサウンドにフィットしない歌は外さざるを得ないということで、最終的には、消去法で絞り込んでいったんです」

横山

昭和歌謡について語った横山剣

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト