8月末、渋谷に開設された若者向けコロナワクチン接種会場には多くの人がつめかけた(EPA=時事)

8月末、渋谷に開設された若者向けコロナワクチン接種会場には多くの人がつめかけた(EPA=時事)

「もともとワクチンを打ちたいと思っていましたし、ちょうどよく地元自治体で接種の予約が取れ、1回目は打ちました。同僚には、まだ予約すら取れていない人も多い。それはどうしようもないことなのに、内緒の職域接種で2回打ち終わっている上司からは、いつ打つのか、まだか、仕事できなくなるぞという、脅しのようなメールが届いています」(宮田さん)

 宮田さんはまだ二十代半ば。「ワクチン拒否」を表明している友人もいるというが、決して陰謀論者というわけではない。

「最初は様子見って言う若者が多かったは、後づけの理由ですよ。結局、自分たちにはその順番が回ってこなかったからです。その後の報道などを見て、打てる機会があるのなら打ちたい、と思う若者も多かったはず。なのに、上司はこっそり打つし、予約を取ろうと思ってもとれない。それでテレビや新聞は、若者が打ちたがらない、と報道します。打とうとすれば打てず、打ちたくないと思ったら強制される。なんなんですかね……」(宮田さん)

 ワクチンの有効姓は、日を追うごとにはっきりとデータで示され、コロナ禍前の生活に少しでも近づきたいなら、ワクチン接種は避けて通れないものだろう。しかし、ワクチンを打たない人、特に若者に「自分勝手だ」と非難する前に、彼らが打ちたくても打てなかった人々だということを思い出して欲しい。自分が2回の接種を終えたからと、打ってない人を非難するのもまた「自分勝手」ではないだろうか。

 コロナ禍の終わりも見えてきたか、という昨今。うまくいかない窮屈な日常生活を過ごさざるを得ないからか、他者を思いやる気持ちを持てなくなったという人も多いはず。今こそ、他人を尊重する事を思い出して欲しい。ワクチンの有効姓が高かろうと低かろうと、そのワクチンを使う人間がこの様子では、社会が再び「元の姿」に戻ることはないのだ。

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