国際情報

LAでポリスになった日本人女性 「高校時代はヤンチャしてました」

LAで警察官として働くYURI氏

LAで警察官として働くYURI氏

 米国西海岸に位置するロサンゼルス。全米屈指の大都市だが、高い犯罪発生率でも知られる。その近郊にある警察署では毎朝5時からパトロール会議が開かれる。

「昨日はここで殺人事件があった」
「このエリアで麻薬犯罪が増えている」

 物騒な話に耳を傾ける屈強な男たちに交じって、小柄な日本人女性がひとり佇む。彼女こそ、この署に勤務する日本人警察官のYURI氏だ。

 麻薬や強盗、暴行に交通違反など、彼女はこの街に潜むあらゆる犯罪を取り締まっている。

 早朝のミーティング後、コーヒー片手にYURI氏はパトカーに乗り込む。

「治安の悪い街ですが、ひとりでパトカーに乗って巡回することもありますよ。防弾チョッキや拳銃でフル装備した私の写真を見て『戦争にでも行くの?』と驚く日本の友人もいます(笑)」(以下、カギ括弧内はYURI氏)

 不敵に微笑む彼女。この1年ほど、インスタグラムやYouTubeで防犯のための情報などを発信し、現地関係者らの注目を集め始めているが、その来歴は謎めいている。彼女はなぜ、世界有数の危険地域・LAで女性警察官となったのか──。

 高校時代には2人乗りしたバイクで白バイを振り切るほど「ヤンチャ」だったという彼女。高校卒業後の90年代後半に渡米し、語学学校を経てカリフォルニアの大学に進学した。そこで知り合ったアジア系米国人と「授かり婚」をして大学を退学した。

 夫の意向もあり、専業主婦をしながら2人の子供を育てたが、7年目に結婚生活が破綻。シングルマザーとなった。

「高卒で30代子持ちの女性が日本に帰国しても仕事が見つかると思えず、就業にあたって人種や年齢、性別が条件にされない米国に残る道を選びました。とはいえ7年間育児のみだった私に仕事はなく、LAに日本の有名カレーチェーンの1号店ができた時、『ここで働かないと生きていけません!』と頼み込んで雇ってもらった。美容関連の会社などでも働きました」

 なかなか安定した仕事に就けず悩む彼女の頭に浮かんだのが「警察官」という選択肢だった。

「私は正義感や人の役に立ちたい気持ちが強いので、長く続けられる仕事と思いました。日本に住む両親に告げたら、『シングルマザーが銃を持つのか』と反対されましたが、自分の性格に合っていると突き進みました」

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン