根尖病巣があると「抜歯」しかない?
歯根の先端に膿などが溜まる「根尖病巣」があると、抜歯を勧める歯科医も多い。骨が吸収されて(溶けて)しまうからだ。
しかし、抜歯する前に検討してもらいたいのが、根管治療である。
「根尖病巣は、根管の中を通る神経が死んで根管に細菌が増殖していることが多いですね。この場合、根管治療で細菌をきれいに除去すると、根尖病巣が消えて溶けた骨も回復する場合があります」(菅谷氏)
根管治療には「マイクロスコープ」が必須?
歯を守る“最後の砦”のような根管治療だが、最近はマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使う根管治療をアピールする歯科医が増えてきた。
「シンプルな形状をした根管なら、従来の肉眼や拡大鏡でも十分な治療が可能です。ただし、マイクロスコープの治療は情報量が圧倒的に多いことも確かです。根管は複雑に癒合していたり、枝分かれしているものもあるので、そうしたケースはマイクロスコープのほうが良い結果を期待できるでしょう。
ちなみに、根管治療の専門医はマイクロスコープを持っていないと申請できません」(菅谷氏)
レポート/岩澤倫彦(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2021年10月8日号