芸能

極悪ぶりが話題の鈴木亮平 着替えるように役を演じ分ける並外れた才能

ドラマが絶好調

鈴木亮平の笑みが観客を恐怖に陥れる理由とは?

 8月20日より公開中の映画『孤狼の血 LEVEL2』。封切りから最初の3日間の累計で13万6000人を動員し、興行収入は1億9300万円を売り上げる好スタートを切った話題作だ。本作で特に注目を集めているのが鈴木亮平(38才)の怪演。その極悪非道ぶりは、直近放送されたドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)での爽やかな救命医役とのギャップでさらに際立っている。振れ幅の大きい鈴木亮平の演技について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。

 * * *
『孤狼の血 LEVEL2』で冷酷非道なヤクザを演じた鈴木亮平。一方、ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』では心優しい熱血救命医を演じた。この真逆の役どころに、SNSでは「同じ俳優とは思えない」、「鈴木亮平の人好きする笑顔が真逆のベクトルで生かされている2作品」といった声が溢れた。2作で鈴木が演じたキャラクターのギャップが大きな話題となっているのだ。確かに前者での鈴木は、残虐すぎてとても同一人物だとは思えない。映画を鑑賞後、人間不信になること間違いなしである。

『孤狼の血 LEVEL2』は、2018年に公開された『孤狼の血』の続編。作家・柚月裕子(53才)による小説『孤狼の血』シリーズ三部作を白石和彌監督(46才)が映画化したもので、本作では原作には描かれていないオリジナルストーリーを展開している。舞台は広島の裏社会。街の秩序のため、警察と裏社会のタイトロープを担っていた一匹狼の刑事が、とある男の登場によって窮地に追い込まれていくさまが描かれている。鈴木が演じているのは、この“とある男”、暴力団・上林組の組長である上林成浩だ。

 一方の『TOKYO MER』は、救命救急の現場を描いた医療ドラマ。自らの危険を顧みずに人々の命を救うため奮闘する医療従事者たちの熱き姿が描かれている。「TOKYO MER」とは、都知事の意向で新設された救命救急のプロフェッショナルチーム。重大事故、災害、事件の現場にいち早く駆けつけ、“一人も死者を出さないこと”がミッションとして課されている。鈴木は本作の主演で、経験豊富な頼れるリーダー・喜多見幸太役を演じた。

『孤狼の血 LEVEL2』で鈴木が表現している上林の“極悪ぶり”は凄まじい。やる事なす事のすべてが度を超えており、思い出すと寒気がしてくるほど。完全に振り切れている。非道な鈴木の言動のほとんどは脚本に書かれているもののはずだが、だからといってここまでの極悪なキャラクターを誰もが確立出来るわけではない。そこではやはり、細やかな表現力が求められるはずだ。鈴木は表情と感情のズレを、正確にコントロールしており、例えば笑みを浮かべながら怒声を発する表現などは、内面と外面のアイソレーションが見事だ。笑顔の中には温かみが微塵も感じられず、生気を完全に失った目が暴力行為に興じる時にだけ生き生きと輝いて見えるのが何よりも恐ろしい。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン