芸能

松村雄基、『スクール・ウォーズ』で忘れられない「愛」に関する名セリフ

松村

松村雄基が『スクール☆ウォーズ』の思い出を語る

 いまも多くの人の心に残るTBS系の学園ドラマ『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』(以下・『スクール・ウォーズ』)。 不良少年役を演じた俳優・松村雄基(57才)に、当時の思い出話や印象に残るシーン、セリフについて聞いた。

 * * *
 ぼくが『スクール・ウォーズ』で演じた大木大助は地域で知られた“ワル”で、実在の複数人物がモデルになっていたようです。自分の信念を曲げるのが許せない性格の一匹狼でしたが、他人に迷惑をかける人間ではなく、唯一の親友であるイソップこと奥寺浩(高野浩和)を思いやる優しい心の持ち主でもありました。

 撮影初日は、朝からハイテンションで暴れまわり、約束を破った教頭を殴りつけ、ナイフを持って詰め寄り滝沢賢治先生の説得に涙する。1台のカメラで同じ場面を繰り返し撮影していたのですが、後半はずっと泣いていた。

 初対面だった滝沢先生役の山下真司さん(69才)が、「とてもよかった」と褒めてくださり、カメラマンも涙を流しながら撮影してくれました。撮影はとてもハードでしたが、スタッフやキャストのみんなが、ぼくの心情を察して緊張感のある現場を作ってくれたことが心に残っています。

『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』Blu-ray BOX〈通常版〉3万6960円。発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:キングレコード (C)TBS・大映テレビ 

『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』Blu-ray BOX〈通常版〉3万6960円。発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:キングレコード (C)TBS・大映テレビ

 忘れられない言葉は、「愛とは、信じ、待ち、許すことである」。

 これは滝沢先生が恩師から言われた言葉ですが、演じた20才のときに、初めて耳にしてから37年、いまでもずしんと心の底に刺さっています。許すこと、これが本当に難しい。

 もう1つ、不治の病にかかったイソップが自殺をはかるなど自暴自棄になっていたとき、それを止めた滝沢先生に向けて、「人間は何のために生きているんですか?」と問うと、先生が「何のために生きるか、それは愛すべき者を愛して戦うためだ」と言った言葉も、後々ぼくの心の糧になり、勇気と希望を与えてくれています。

「人の心を思いやるということ。 それが愛というもんや。 相手を信じ、待ち、許してやること」 (『スクール・ウォーズ』/滝沢賢治の恩師・藤山洋一)

【プロフィール】
松村雄基/1963年11月7日生まれ、東京都出身。1980年にドラマ『生徒諸君!』(テレビ朝日系)でデビュー。現在もドラマ、映画、舞台を中心に俳優として活躍中。

取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2021年10月14日号

『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』Blu-ray BOX〈通常版〉3万6960円。発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:キングレコード (C)TBS・大映テレビ

『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』Blu-ray BOX〈通常版〉3万6960円。発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:キングレコード (C)TBS・大映テレビ

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン