芸能

石橋静河 七光りを感じさせず「誰にも何にも似ていない」その不思議な魅力

父は石橋凌、母は原田美枝子の俳優一家に育った(時事通信フォト)

父は石橋凌、母は原田美枝子の俳優一家に育った(時事通信フォト)

 役者が持つ空気、それがどこに由来するのか、説明することはなかなか難しい。だが、独特の空気を持つ俳優は確かにいる。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 道路交通法違反・引き逃げの疑いで逮捕・不起訴処分になった伊藤健太郎さん。芸能界復帰はなかなか難しいと言われてきた中で、久々にテレビドラマの画面に現れ注目を集めています。10月12日深夜からスタートした『東京ラブストーリー』(フジテレビ系 火曜日24時35分)の「カンチ」役です。

 ご存じ1991年に織田裕二と鈴木保奈美が共演して話題を振りまいたトレンディドラマの令和版。FODで昨年配信され今回は地上波での初放送となりました。同時に旧作品もFODやTVerで動画配信中です。29年ぶりに蘇った令和版東京ラブストーリーでは、織田裕二が演じた完治を伊藤さん、鈴木保奈美の演じたリカを石橋静河さんが演じています。

 まずはカンチ役・伊藤さんの久々の姿と、若手ながら細かい表情やしぐさを作る演技巧者ぶりに目が行きますが、それ以上に気になる存在がヒロイン・リカ役に抜擢された石橋さんです。

 かつて鈴木保奈美さんが演じた赤名リカは、甲高い裏声を響かせるキャピキャピした自由奔放な人でした。当時の「帰国子女」のイメージに沿った天然系で、今見るとハイテンションがわざとらしい感じすらする。

 一方、石橋さん演じるリカはどうでしょう?  鈴木版リカと何が違うかと言えば、まず声のトーン。アルトの低音で声は張らずサバサバとした自然体。アート系ぶるでもなく、ちょっと意識高い系の匂いがしそうでいて、しない。鈴木版のリカが熱を帯びた「ハイテンション」系だとすれば、石橋版のリカは低温「フラット」系と言えばいいでしょうか。そこに時代が映し出されています。一歩ずつ自分の道を進むリカの足取りの確かさが、伊藤さん演じる若いカンチを惹き付け、カンチが翻弄されていく感じがとてもよく描かれています。

 いや、今回のリカだけではありません。「石橋静河」という女優を見ていると、不思議な気分になる。そう、「誰にも何にも似ていない」から。ズラリと居並ぶ役者さんの中で、ついつい石橋さんに目が行ってしまうこの吸引力は、どこから来るのでしょう?

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト