最高指導者だった江沢民氏の腹心であった曽慶紅氏は、習氏を強力に推薦。習氏は2007年10月の第17回党大会で党政治局常務委員に選出され、翌3月には国家副主席に就任するなど、最高指導者への足掛かりを得てきた。
米政府系報道機関「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」などの米メディアによると、習氏は曽慶紅氏の姪である曽潔氏が起業した花様年についても、経済官庁の幹部に対して、経営上のアドバイスをするよう指示するなどしていたという。
しかし、それも習氏と曽慶紅氏の関係が良好だったころまでのことで、習氏が最高指導者に就任した2012年秋の第18回党大会以降、習氏は反腐敗闘争を展開し、江沢民氏を中心とする上海閥の幹部を汚職などで軒並み逮捕すると両者の関係も悪化していったとされる。
さすがに、習氏は「お兄さん」と呼んでいた曽慶紅氏を逮捕するようなことはしなかったが、いまでは顔を合わせることもない状況になっているという。