それにしても、自民党の世襲議員の多さはかねて疑問視されてきたが、なかなか解消される気配がない。
今回も三重2区では川崎二郎・元厚生労働相の長男である秀人氏、愛媛1区では塩崎恭久・元官房長官の長男・彰久氏、埼玉10区では菅政権下で選対委員長を務めてきた山口泰明氏の次男・晋氏が公認候補となった。
山口3区と同様に、公認問題が最後までもつれた群馬1区も、選挙区で公認されたのが中曽根康弘・元首相の孫である康隆氏で、比例に転じたのが尾身幸次・元財務相の長女・朝子氏。世襲議員同士でひとつの枠を競い合っていた。候補者を公募した結果、“たまたま現職の息子が候補に選ばれました”というかたちを取っているケースもあるが、それを額面通りに受け取る有権者ばかりではないだろう。
「菅義偉・前首相は自民党では20年ぶりとなる“非世襲の総理大臣”で、叩き上げのイメージがあったが、新総理の岸田文雄氏は祖父、父も衆院議員を務めた『3世議員』です。世襲ばかりであることがクローズアップされてくると、自民党にとって思わぬ逆風となるかもしれない」(別の自民党関係者)
有権者はどのような審判を下すことになるのか。