岡田会長とは、昨年秋に急逝した東映の岡田裕介会長(享年71)のことだ。俳優から映画プロデューサーに転身し、吉永小百合(76才)の主演作を数多くプロデュースしたことで知られる。昨年、日本アカデミー賞組織委員会名誉会長に就任し、日本映画の顔として活躍した。
「映画人の岡田会長は、テレ朝の社外取締役を務め、多くのテレビドラマもプロデュースしてきました。沢口さんは東映のライバルである東宝の芸能プロダクション『東宝芸能』の所属ながら、東映制作の『科捜研』に出続けた稀有な存在です。彼女自身、『科捜研』を全面バックアップしてくれた岡田会長のことは恩人だと思っているはずです。
テレ朝も岡田会長には多大な感謝の念を持っていた。もし岡田会長がご存命だったら、『科捜研』を終えるという選択は、先延ばしにされていたと思います」(前出・テレ朝関係者)
さらに、『科捜研』が、東映の京都撮影所をメインにして撮影されることも、番組存続のネックとなったようだ。
「京都撮影所には『科捜研』の本拠地セットが作られ、島津製作所が手がける最新の科学機器が備えられました。それを見た京都府警の現職が『ウチより揃っていて、うらやましい』とうなるほどでした。
しかし京都での撮影は、出演者の出張費や滞在費が1話あたり200万~500万円余分にかかるとされます。テレビ局の懐具合も厳しくなるなか、テレ朝は、『現代劇を京都で撮る必要はない』との結論にいたったようです」(前出・制作会社プロデューサー)
テレ朝に木曜8時枠の終了について問い合わせたが、「今後の編成に関しては決まっておりません」との回答だった。
※女性セブン2021年11月4日号