国内

岸田首相 公明党との協力体制のために菅・二階氏に頼るしかない構図

菅義偉・前首相の協力も必要か(時事通信フォト)

菅義偉・前首相の協力も必要か(時事通信フォト)

 超短期決戦を選んだ岸田文雄・首相だが、総選挙情勢は「大敗ライン」の自民党単独過半数(233議席)を割り込むか、なんとか単独過半数を維持できるかの瀬戸際に立たされている。

 そして、総選挙後の政権運営にも不安は残る、これまで連立相手の公明党と太いパイプを持ち、連立を維持してきたのは菅義偉・前首相と二階俊博・前幹事長だ。

「二階さんは公明党との交渉窓口、菅さんは創価学会中枢と強く結んで重要政策の根回しから選挙協力まで話し合ってきた。岸田首相に公明や学会中枢とのパイプは全くないし、甘利明・幹事長はじめ現在の党執行部にもそれができる人はいない」(自民党3役経験者)

 今回の選挙戦でもそれが問題になった。公明党が選挙協力をする自民党候補に推薦を出すにあたって、“言うことを聞かなければ推薦しない”とよりによって選挙の指揮をとる甘利明・幹事長を第1次と第2次推薦者リストから外して揺さぶりをかけたのだ。

 自民党側が折れて比例名簿順位で公明党の希望する自民の候補を上位に置いたことで甘利氏も公示ギリギリで公明推薦をもらうことができたが、自民党幹事長を推薦しないなど菅・二階時代には考えられない事態だった。

「これまでは自民党の言うことをおとなしく聞いていた公明党が、菅さんと二階さんが失脚した途端に牙を剥いてきた」(同前)

 菅・二階連合とパイプが太い公明党が岸田政権の力を削ぐ方向に動き出した。岸田首相が自公連立を円滑に維持していくには、ここでは菅・二階氏に頼らざるを得なくなる構図だ。

※週刊ポスト2021年11月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン