芸能

変わり続けるドラマの番宣 TV、ネットを駆使する「温故知新」の戦略

綾野剛

綾野剛主演の『アバランチ』でもYouTubeチャンネルを使った”番宣”を展開

 多くの視聴者に見てもらおうと、この秋の連続ドラマでもテレビ各局がさまざまなPR活動を展開している。いま、各局の“番宣”はどのようなものが行われ、そこにはどんな狙いがあるのだろうか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 10月の終わりとともに秋ドラマの主要作がようやく出そろい、物語が大きく動きはじめる中盤戦に入っていきます。

 ここまでの序盤戦を見ていて気づかされたのは、ドラマ番宣の変化。これまでは主演俳優が放送局の情報番組を渡り歩く電波ジャックや、ゴールデンタイムのバラエティにゲスト出演する形がメインの番宣でしたが、年々さまざまな工夫を凝らしてPRする作品が増えているのです。

 近年は局や番組のSNSを使って新作ドラマをPRする形が定番化していましたが、このところ目につくのはYouTubeや生配信などを駆使したネット番宣の進化。下記に今秋の主なものを挙げていきましょう。

『最愛』(TBS系)は、Yahoo!とコラボして「スマホ版Yahoo! JAPANの検索画面で『最愛』と入力するとスペシャル動画が見られる」という仕掛けを実行。さらにスマホ視聴に適した特別縦型フルスクリーン動画も番宣用に作りました。29日にも、第3話の放送直前に番組ファンのフルーツポンチ・村上健志さんと3時のヒロイン・かなでさんによる緊急座談会がYouTubeで配信されたほか、放送直後にも新井順子プロデューサーがTwitter上の質問に「力の限り返信する」という企画も行われました。

『日本沈没―希望のひと―』(TBS系)は、コント日本一決定戦『キングオブコント2021』で優勝したばかりの空気階段とコラボした番宣動画をYouTubeに公開。『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)は、「ドラマ放送中に“キュン”としたらボタンを押して盛り上がる」というスマホ専用のコンテンツを用意しました。

『SUPER RICH』(フジテレビ系)は、初回放送目前にYouTube、ツイッター、インスタグラムでのライブ配信イベントを開催。また、各話の放送終了後に動画配信サービス「FOD」でディレクターズカット版の配信を初めて行っています。

『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)は、劇中のクライマックスで主人公たちが映像を生配信するシーンとYouTubeチャンネルをリンクさせ、放送では映っていない部分を含めて同時配信。『顔だけ先生』(東海テレビ・フジテレビ系)は、放送直前の時間帯に生徒役の俳優を集めて、YouTubeチャンネルなどで見られるコンテンツを生配信しました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト