巨人OBも「調子がいい者を使っていくのが鉄則」

 実際、最近のスポーツ報知の評論家のコラムを読むと、中田のスタメン起用について否定的な声が複数上がっている。

〈点を取らなきゃ勝てないわけだから、打線も調子がいい者を使っていくのが鉄則よね。ここ最近の中田を見ている限りではファーストには代打で結果を出した中島を、レフトでウィーラーを使うのが現状ではベストではないかと思う〉(元巨人ヘッドコーチ・村田真一氏 2021年10月25日)

〈終盤、岡本和はタイトルを意識したのか、どんな球でも打ちたいという気持ちが出てしまったが、復活した丸と坂本も含めたこの3人は力があるから心配はない。ただ、マークはされるから、5、6番の打撃が勝敗のカギを握る。先手必勝を考え、5番にウィーラー、6番に一塁・大城を置く攻撃型の打線を組むのも面白い〉(元巨人監督・堀内恒夫氏 2021年10月28日)

 巨人の“機関紙”とさえ言われることもあるスポーツ報知でも、中田起用を控えるべきだというOBたちの意見が紹介されている。巨人OB以外でも、〈オフに鍛え直せば来年は期待できるだろうが、今年に限ってはCSで戦力になるのは難しいかもしれない。(中略)中田の代わりを見極める必要があるのではないか〉(元近鉄・金村義明氏 2021年10月20日)という直接的な意見もあった。

 中田の加入が発表された8月20日以降、巨人は14勝29敗10分で勝率3割2分6厘に終わった。9月、10月の月間成績はともにセ・リーグ最下位。中田の加入だけが急降下の原因ではないが、打てない選手を中軸で使い続けた原監督の起用法に異論が出るのは当然かもしれない。

「何人もの“報知の評論家”が提言するほどの事態になっているのに、まだ中田をスタメンで使うのでしょうか。シーズン終盤の起用法を見れば、コーチの中に進言できる人がいない様子もうかがえます。これでは、コーチングスタッフの大幅な入れ替えがない限り、来季も巨人は原監督の独断で物事が進む可能性が高い。

 監督ですから自分の判断で采配を振るうのは当たり前ですし、上手く行っている時はいい。しかし、独断は暴走にもつながる。コーチ陣は、監督の暴走を止めるという役割もあるはずですが、中田のスタメン起用にこだわる原監督に誰もモノを言えないのでしょうか。これではCSはおろか、来季も心配になってきます」

 原監督はCSでも中田をスタメン起用するのか、注目が集まっている。

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