細木数子さんと養女のかおりさんのツーショット。インスタグラムで細木数子さんが亡くなったことを報告した

細木数子さんと養女のかおりさんのツーショット。インスタグラムで細木数子さんが亡くなったことを報告した

地獄に堕ちるのは人生順風満帆のとき

「ただね、借金取りや見張り番にはいつもお茶を出していたよ。他人に気遣えとは母親の教えだったし、『誠意』しかやるもんがなかったからね(笑い)。そしたらそのうち、借金取りにも情が移ったんだろう。アタシから取り上げた休業状態のクラブを遊ばせておいてもしかたがないと、そこのママを私にやらせてくれることになった。その頃には、貧乏生活はもう2年半を過ぎていたね」

──それで10億の借金が返済できた、と?

「そんな簡単にはいかないわよ。(頭を指して)ここよ、ここ。自分の連れてきた客の売り上げを、借金取りの目を盗んでプールしてたんだ。中には300万とか500万とか“お小遣い”をくれるお客さんもいたしね。店も流行った。借金取りが客を引っぱってきてくれるし、常連客も戻って来る。評判が評判を呼んで、毎日が満員電車状態だった」

──そのお金はどう使ったんですか?

「新しい商売の運転資金にしたの。その金で赤坂の地下駐車場100坪を借りて、そこにディスコをオープンさせたのよ。赤絨毯を敷き詰めた最先端のディスコ。これが流行った。1日に何百人も来てね、売り上げの札束なんて毎日、ゴミを入れる大きなポリタンク3つに、足でギュウギュウ押し込んでたね。おかげで借金は3年で返済し終えたよ」

 細木さんは借金返済どころか、新たに財をなす。その間も独学で勉強を続け、44歳で初著『六星占術による運命の読み方』を上梓する。「人生のカリスマ」の誕生である。

「いま、『借金苦で困ってる』って相談に来た人には、『プライドを捨てて何でもやれ』、『マグロ船に乗れといわれたなら乗って借金を返してこい!』っていってるのよ。何が何でも借金を返せってね。それが周囲への恩返しでしょ。

 自分も借金したからわかるけど、借金は額じゃない。親兄弟も友人知人も、『自分のことを誰も相手にしない』状況にまいってしまうの。これが生き地獄。でも生き地獄も見方を変えれば、人生のいい修行と経験だよ。地獄にいるからこそ、素直に自分を反省できる。わかる?」

──ではなぜ、簡単に地獄に堕ちてしまうのでしょうか。

「地獄に堕ちるときは、人生順風満帆のときが多いの。アタシもそうだった。調子がいいから、自分の器の大きさが見えなくなって、うぬぼれてしまう。ここが頂点だと勘違いするんだね。周囲への感謝も、謙虚さも、何もかも忘れてしまう。あとは、色と欲に溺れるだけ。これが道理。堕ちるのはね、簡単なんだよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン