ならば狙いはサリオス。3歳時は皐月賞、ダービーともコントレイルの2着に甘んじたが、マイルに照準を合わせた毎日王冠ではGⅠ馬がいなかったとはいえ完勝。マイルCSでは大外枠からの競馬だったが、グランアレグリアからはコンマ4秒差に踏ん張った。今年の大阪杯では重馬場で力を出し切れず、前走安田記念では逆に最内枠が災いした印象。そういった諸々の経験がこのレースで活きてくるのではないか。今回は2枠4番、堀調教師がここで初ブリンカーというのも怖い。
相手はもちろん主役2頭だが、妙味あるところでは3歳時にこのレースに挑戦し、ここ5戦マイル重賞ばかりを使って1勝2着3回のカテドラル。前走で初めて見たゴール瞬間の景色を目に焼き付け、さらなる高みを目指す。
クリノガウディーも3歳でこのレースに出走。翌春の高松宮記念では早くもその成果を出したともいえる幻のGⅠ馬。ここのところ重賞では結果が出ていないが、近走5戦は岩田康騎手がじっくり競馬を教えており、ここで息子・望来が結果を出すというのもドラマティック。お父さんもケイデンスコールの鞍上からしっかり見てくれている。
もう一頭、昨年の暮れには3冠候補とさえ言われながら、3歳GⅠでは期待を裏切ってしまったダノンザキッド。本当はこの馬こそが世代最強だ、ということだったとしてもおかしくない。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。