国内

老人ホームでも問題視される「老老介護」 入居者が介護者を見下してトラブルも

高齢者を介護するその人のほうが年上の介護士というケースが珍しくなくなってきた(イメージ)

高齢者を介護するその人のほうが年上の介護士というケースが珍しくなくなってきた(イメージ)

 かつては「老老介護」といえば、自宅で高齢の親を介護する高齢の子供、といった関係性を示すことが多かった。ところが、最近では高齢の介護士が高齢者を介護する事例が増えているため、「老老介護」という言葉は別の問題を示す言葉になりつつある。介護労働に従事する人のうち65歳以上は12.3%を占め(介護労働安定センター調べ)、今後も増加傾向にあると言われるなか、どんな問題が生まれているのか。ライターの森鷹久氏が、新しい老老介護問題についてレポートする。

 * * *
 大阪市の老人ホームで、痛ましい事件が起きた。

 入居者の男性(72)が敷地内で倒れていると通報があり警察が駆けつけたところ、男性とは別に職員の女性(68)が事務所内で頭から血を流して倒れているのが見つかった、というものだ。捜査はまだ途中ではあるものの、入居男性はトラブルを起こしたため退去することになっていたということも報じられていて、入居者が職員に危害を加えた後に自殺した可能性が高いという。

 たった4歳しか年齢が変わらないのにも関わらず、片や介護を受ける側、方や介護をする側、となっていることに驚く人も少なくないかもしれない。だが、超高齢化社会の我が国では、あちこちで老人が老人の介護をになう「老老介護」から逃れられない人々が増加し続けている。

 そして、特に老人介護施設における「老老介護」の現場では、それぞれの立場が発端となりさまざまなトラブルが頻出しているという。

「シニアと呼ばれる60代、そして70代の介護スタッフが増えています。人手不足の中では助かっているのですが、今度は入居者と高齢スタッフの間で起きるトラブルが目立つようになってきました」

 こう話すのは、埼玉県内で入居型老人ホームを運営する佐々木祥子さん(仮名・50代)。高齢スタッフの中には「ボケ防止」とか、いつまでも働きたいという思いから就労に至る人もいるが、ほとんどは「生活費」を作ることが目的。貯金や年金では心許なく、高齢になっても働かざるを得ない、という人が多いのが現状なのだという。

「入居者の方は比較的お金に余裕のある方ばかりということもあってか、入居者の一部の人が高齢スタッフにとにかく尊大で、貧乏人と詰ってみたり、かなり見下されているのです」(佐々木さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《“七三分け”白髪の石橋貴明が動き始めた》鈴木保奈美「私がお仕事をしてこられたのは…」“再ブレイクと闘病中”元夫婦の距離感
NEWSポストセブン
波瑠と高杉真宙の仲睦まじいツーショット
《波瑠がメガネと白セーター姿で高杉真宙にピッタリ寄り添い…》「思い出深い1年でした」新婚ホヤホヤの2人は“お揃いのデニムパンツ”で笑顔の神対応
NEWSポストセブン
『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー・八神洋子役を演じ、高い人気を得た来栖あつこさん
《スーパー戦隊50年の歴史に幕》「時代に合ったヒーローがいればいい」来栖あつこが明かすイエローとの永遠の別れ、『激走戦隊カーレンジャー』ピンクレーサー役を熱演
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
《識者が“皇族の喫煙事情”に言及》「普段の生活でタバコを吸われる場合は…」秋篠宮さまの“車内モクモク”動画に飛び交う疑問
NEWSポストセブン
小室さん眞子さんのNY生活を支える人物が外務大臣表彰
《小室眞子さん“美術の仕事”の夢が再燃》元プリンセスの立場を生かせる部署も…“超ホワイト”なメトロポリタン美術館就職への道
NEWSポストセブン
今年成年式を終えられた悠仁さま(2025年9月、東京・港区。撮影/JMPA) 
《自らモップがけも…》悠仁さまが筑波大バドミントンサークルで「特別扱いされない」実情 「ひっさー」と呼ばれる“フラットな関係”
週刊ポスト
結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン