芸能

『木綿のハンカチーフ』制作秘話 歌詞のモデルはディレクター

1974年に『雨だれ/白い季節』でデビューした太田裕美はピアノの弾き語りと美しい高温で人気を獲得。1975年12月に発売した『木綿のハンカチーフ』は翌年大ヒットし、約87万枚のセールスを記録した(撮影/女性セブン写真部)

1974年に『雨だれ/白い季節』でデビューした太田裕美はピアノの弾き語りと美しい高音で人気を獲得。1975年12月に発売した『木綿のハンカチーフ』は翌年大ヒットし、約87万枚のセールスを記録した(撮影/女性セブン写真部)

 1975年に発売された太田裕美の『木綿のハンカチーフ』は、昭和を代表するポップスとして、長く愛され続けている。椎名林檎、宮本浩次、橋本愛ら、多くのアーティストにカバーされるこの名曲は、どうやって生まれたのだろうか。ディレクターとしてこの曲を手掛けた白川隆三さんに話を聞いた。

 * * *
 私にとって太田裕美さんはディレクターになっていちばん最初に担当したアーティスト。『木綿のハンカチーフ』は4枚目のシングルで、アルバムからカットされた楽曲です。

 都会と地方を題材にした物語は、作詞の松本隆先生いわく、私をモデルにしたのだそうです。私は福岡県北九州市の出身で、父方の出身が田川という炭鉱町。中学生の頃は炭鉱が衰退していた時代で、ローカル電車のホームでは集団就職のために都会へ出て行く家族や恋人を見送る人たちの姿をよく目にしました。その話を何回か松本先生にお話ししたので、それが印象に残っていたのかもしれません。

 この曲は詞先で歌詞が4番までと長い。作曲した筒美京平先生が困り果てて、夜、私に電話をしたらしいんですが、当時は固定電話で、原宿で飲んだくれていた私がつかまらなかった(笑い)。翌日、「思った以上にいい曲ができた」と言ってもらえたからよかったですが、ケータイがあったら曲が変わっていたかもしれないですね(笑い)。

 レコーディングの際、私が太田さんにお願いしたのは「あまり心情的に歌わず、とにかく明るく歌ってほしい」というその1点だけ。明るく歌うことで女性の純朴さや最後のフレーズが生きてきて、ぐっと心に響くと思うんです。

白川隆三

白川隆三さんが語った『木綿のハンカチーフ』秘話

関連キーワード

関連記事

トピックス

遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン