30代と50代で広がる「ジェネレーションギャップ」
――今後の男性化粧品市場はどのように変わっていくと思いますか?
西村:最近は若い方々があまりテレビを観ませんし、先ほども言いましたが必要な情報はスマホを介してSNSを見て得る傾向が強まっています。
私がまだ高校生だった20年以上前は、化粧品はドラッグストアで買うのが一般的な時代でしたが、いまはEコマースであったり、ロフトさんで発売している「ギャツビー ザ デザイナー」のように、積極的に情報収集したりトライしたりする人たちは、従来とはちょっと違った販路からの購入を志向する傾向があります。
マンダムは従来、マスマーケティングが得意でずっとそれをやってきたのですが、そこからなかなか変われない部分もあったのは事実なので、今後もデジタルや多様化した嗜好への対応など、新しいアプローチも積極的に仕掛けていきたいですね。
いま、どの業界でもジェネレーションギャップがすごく大きくなっていると思うんです。昔の50歳と30歳のギャップと、いまの50歳と30歳のギャップを比較してみると、明らかにいまのほうが差は広がっていますし、われわれは「ギャツビー」をはじめ若い人たちに向けた商品も多いですから、若年代の悩みを商品面から解消してもらえるようなマーケティングにも力を入れていきます。
――最後に、西村社長ご自身は毎朝、スタイリングやスキンケアにどのくらいの時間を割かれているのでしょうか?
西村:私は朝、結構時間がかかるほうでしてね。家を出る1時間半前ぐらいに起きますが、なんだかんだで30分ぐらいは鏡の前にいるかもしれません(笑い)。クセっ毛ということもあって短髪スタイルで通していますので、髪型を整えるのは短時間で済みますが、髭が結構濃いほうなので髭剃りで整えるのに時間を割き、ごく控えめにメイクをすることもあります。
【プロフィール】
西村健(にしむら・けん)/1982年5月生まれ。早稲田大学卒業後、2008年4月マンダム入社。マンダムシンガポール出向、人事部、欧州駐在でMBAを取得後、2017年に執行役員就任(経営戦略担当)。2018年常務執行役員(マーケティング統括、広報部、新規ビジネス開発)を経て、2021年4月代表取締役社長執行役員に就任し、現在に至る。
●聞き手/河野圭祐(経済ジャーナリスト)
●撮影/内海裕之