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当事者である子供たちに寄り添う必要がある(イメージカット)

 自民党保守派の多くが所属している極右的政治団体の日本会議に関連する団体が、理想的な家族のありかたとしてサザエさん一家を挙げている。いまだに夫は仕事、妻は家庭がデフォなのか。2015年の個性調査で9.4%しかなかった「拡大家族」(≒三世代家族)が幸せの形とでもいいたいのか。そりゃもう、何周遅れかのファンタジーの世界だ。

「子どもは家庭を基盤として成長する存在だ」というのも一見当然のようだが、もうちょっと考えてものを言ってほしい。子供の虐待、不登校、貧困、自殺などが問題化している家族は、すでに機能不全を起こしているのである。成長できるだけの基盤が壊れてしまったから、その代わりになる社会資源を整えましょうという話なのである。きれいごとだけでは済まされない現実をまるで見ていない。

 2012年に自由民主党が作った「日本国憲法改正草案」の第二十四条にこうある。

〈家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない〉

 家族の助け合いは尊い。それはそうだ。しかし、そう思う通りにいかないのもまた家族であり、互いに依存し合いすぎた結果、個の自立を難しくさせ、あるいは怒りや憎しみや暴力を生み出す小集団と化しやすいのも家族である。「助け合わなければならない」と憲法でその価値を押しつけるのは、毒親を始めとした負の家族圧に苦しむ子供たちをさらに追い込みかねない危険な発想なのだ。

 自民党保守派の重鎮、山谷えり子議員は、このたびの名称改変についてこう語っていた。

〈「家庭」が入って良かったと思っております。家庭的なつながりというなかで子どもというのは、本当に子ども真ん中で育っていくと思いますので、しっかりと全体をみながら支援がいき渡るように、これから努力していきたい〉

 家庭や家族が好きなのだなあ。そこからあふれ出てしまった子供たちの存在は目に入らないのだろう。浮世から離れているのだ。

 保守とは、伝統を重んじつつ、現実に即して柔軟に対処を変える態度のことだと私は考える。山田太郎議員にその真の保守政治家の姿を感じる。がんばれ。

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