──Aさん、ご存じですよね。
「あっ、はいはい、知っていますよ。ええ」
──京都の公演中、同じホテルに宿泊されていました。
「いや、でも何もないです。あの、大の友達です。いつも行く友達で、ほんとウソじゃないです。全然」
──女性の部屋に出入りしていましたが。
「あの、薬をちょっと頂戴してね。胃薬を。ほんのちょっと、胃が悪かったから」
──何度も出入りしていました。
「そういうんじゃないんですよ、全然、ないですよ。だって私は今年の正月にあんなことがあって、そんなことやるわけないじゃないですか。取材していれば分かると思うけど、他にも友達がいたでしょう」
──しかし部屋では2人だったんですよね。
「薬だけです。これは薬だけです」
──部屋の滞在は短い時間ではありませんでした。
「え、いやいやいや。本当に僕のDNAを調べていただいても大丈夫です」
──帰りの新幹線でも一緒でしたよね。
「あっ、それは全然たまたまです。彼女は彼女で切符を取って、たまたま一緒になったんです」
──奥様(三田)はAさんをご存じなんですか。
「お芝居にも来ていたから、知ってはいるかもしれません。でも本当に、男女の関係ではございません。もうよろしいですか? 本当に違いますからね」
終始狼狽しながらも真摯に対応し、自宅に入っていった。
三田にも聞いたが、「具体的なコメントは差し控えたい」と事務所から回答があった。
南座の吉例顔見世興行で芝翫が出演した演目は、「身替座禅」。浮気夫と嫉妬深い妻のやりとりを描いた舞踊劇で、芝翫は女方として妻の玉の井を演じた。舞台を降りても、浮気される妻の苦しみを忘れないでほしい。