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高血圧の基準値は歴史的に変化 「血圧は低いほどいい」が最近の主流

(写真はイメージ)

血圧の「正常」の基準は?(写真はイメージ)

「日本の健康診断は基準値が厳しすぎる」と指摘する専門家は多い。一方で、「基準値よりも低い方がいい」という意見も存在する。そして、コロナ禍によって「正常」の基準がさらに揺れている。その1つが血圧だ。

 新型コロナウイルスが流行した当初、感染者に高血圧の人が多かったこともあり、「血圧が高い人は感染しやすいのでは」という不安の声もあった。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはこう話す。

「国内外を調べても、高血圧だから感染しやすいという論文はありません。ただし、高血圧の場合には感染したときに重症化しやすくなる可能性はあります」

 高血圧の人は、糖尿病など別の疾患を抱えていたり、すでに血管や臓器がダメージを受けていたりするからだ。

 昨今、血圧については「基準値より高くても問題ない」「低すぎる方が健康リスクが大きい」という意見も少なくない。日本高血圧学会は140mmHg/90mmHg以上を高血圧としているが、2014年に日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が発表した報告書「新たな検診の基本検査の基準範囲」では、人間ドックで異常なしと診断する基準を「147mmHg/94mmHg」以下としている。

 この基準範囲の大幅な緩和については賛否両論が巻き起こり、現在でも医師の間では見解が異なる。患者としては、血圧を下げる薬をのんで、どこまで数値を下げるべきなのか頭を悩ませるところだ。室井さんは、「高血圧の基準値は歴史的に変化してきた」と指摘する。

「一昔前は、血圧を下げすぎると認知症のリスクを高めると考えられていました。しかし最近は、『血圧は低いほどいい』という見解が主流となっています。持病がない健康な人であれば、血圧が低いほど好ましい影響が出るとわかってきました。

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