芸能

『笑点』新メンバー・桂宮治が「最適な人材」と評される理由

『笑点』新メンバーに抜擢された桂宮治(公式サイトより)

『笑点』新メンバーに抜擢された桂宮治(公式サイトより)

 1月1日、新春特番『お正月だよ!笑点大喜利まつり』(日本テレビ系)で林家三平(51)に代わる『笑点』メンバーとして、桂宮治(45)が選ばれた。宮治は化粧品会社で年収1000万円を稼ぐトップセールスマンだったが、結婚直後の31歳の2008年に落語家へ転身。それから4年目の2012年に二ツ目に、そして昨年真打に昇進。BS日テレ『笑点 特大号』の若手大喜利にも出演してきた。はたしてこの抜擢にどのような意味があるのか。かつて「三遊亭好楽のドヤ顔」「三遊亭小遊三の下ネタ」などを分析してきた笑点研究家でライターの岡野誠氏が、桂宮治加入で『笑点』がどのように変化するのか、考察する。(文中敬称略)

 * * *
 春風亭昇太や林家たい平など現在の『笑点』メンバーが司会を務める若手大喜利からの抜擢は順当だろう。回答者に必要なのは知名度ではなく、実力や他の出演者とのコンビネーションであり、桂宮治はスムーズに番組に馴染んでいくはずだ。何の縁もない人間が突然入るよりも良い人選であり、今後の『笑点』を考えた場合にBSからの昇格は若手大喜利メンバーへの刺激にもなる。

 そして何より、桂宮治は今の『笑点』に欠けているピースを埋める最適な人材だと考えられる。最近の『笑点』は世帯視聴率2ケタをキープしているものの、数年前と比べれば数字は下がっている。その傾向はテレビ全体に見られるが、何かしらの手を打つべき時期に差し掛かっていた。

 視聴率低下の原因は、桂歌丸の存在やイメージが大き過ぎた面もあるだろう。50周年を迎えた2016年5月、番組開始当初から番組を支えてきた歌丸が勇退。春風亭昇太に司会を譲り、その昇太に代わって林家三平が回答者となった。三平はメンバーとして重責を担ってきたが、昨年12月26日限りで番組を離れた。

 この5年7か月を振り返ると、『笑点』は歌丸の抜けた穴を完全に埋め切れていない印象だ。まず、歌丸が去ったことで、イジれる人物が1人減った。司会者になってからも、歌丸は“毛量少ない”“恐妻家”などで回答者からネタにされ、“困った時の歌丸頼み”という流れがあった。三平にその役割はあまりに重かったとはいえ、周りもどう扱えば正解なのかを最後まで見出せないまま終わった印象がある。

 また、メンバーの中で最年長だった5代目三遊亭円楽や歌丸は司会者として “好き勝手に振る舞う”という芸を見せ、座布団を気分で全部取るなどして番組を盛り上げた。現在、司会を務める昇太は年上である4人の回答者に気を遣っているようにも見え、年下である三平をどう転がせばいいかという迷いもあったのではないか。そのため、好きに突っ込めるのは5歳年下の林家たい平だけになっていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン