元欅坂46メンバーの平手友梨奈(時事通信フォト)
永島:近年はドラマ作りにあまり時間をかけられなくなりましたからね。以前なら1日かけて脚本の読み合わせをするのも普通でしたが、いまはカメラや照明のセッティングに時間がかからなくなって、すぐに本番。役者に器用さが求められる時代にあって、彼女は若いのにしっかりと役を作っている感じがします。
吉田:若手でいえば白石聖(23)もいいです。昨年は『ゼクシィ』の12代目CMガールに選ばれたりして“透明感がすごい”なんて言われますが、演技をさせると全然別。得体の知れない怖さが表現できるんです。ドラマ『絶対正義』(2019年フジテレビ系)では、表情や佇まいから狂気が滲み出ていた。彼女も2022年の芸能界の中心にいるはず。
永島:最近の若い女優さんは、幼少期から携帯のカメラがあって、“撮られ慣れている”と感じますね。自分がどう映るか、どうしたらもっと良く見えるか、そのあたりが肌感覚で分かっている。
(後編につづく)
【プロフィール】
中森明夫(なかもり・あきお)/1960年生まれ、三重県出身。アイドル評論家。1980年代から多彩なメディアで活動する。著書に『アイドルにっぽん』『東京トンガリキッズ』『午前32時の能年玲奈』など。
永島敏行(ながしま・としゆき)/1956年生まれ、千葉県出身。俳優。1977年に映画『ドカベン』でデビュー。1978年に映画『サード』ほかで第5回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。映画、ドラマで活躍中。
吉田潮(よしだ・うしお)/1972年生まれ、千葉県出身。法政大学卒。コラムニスト。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。テレビ番組のコメンテーターも務める。
※週刊ポスト2022年1月14・21日号