芸能

「乙世代(オツな世代)」の高田文夫氏が振り返る 2021年東京笑芸界

2021年の東京笑芸界を高田文夫氏が振り返る

2021年の東京笑芸界を高田文夫氏が振り返る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。2021年の東京笑芸界を高田氏が振り返る。

 * * *
 2022年も無事に明けたとは思いますが、これを書いているのは当然2021年の暮れ。私がおりますのは芸能マスコミの中でもほんの隅っこの東京笑芸界。笑ってばかりはいられないコロナ禍ではありましたこの1年、寄席も劇場もライブも苦しさをしいられました。それでも笑うのが我々“乙世代”です。ン? 今“ゼット”って読みました? 違う違う。“オツ(な)世代”です。オツな真似をする世代です。駆け足で1年を思いつくまゝ……2020年の暮れから。

 稽古が始まった私の企画プロデュースの浜町明治座公演。田中美佐子、前川清、原田龍二に東貴博、磯山さやか、松村邦洋ら。元日いきなり家の電話が鳴り「松村クンがコロナに……」アー稽古中止。パート、パートでソーシャルディスタンスをとりながらの宅間孝行演出。どうにか公演は連日客半分で乗り切る。お芝居と寄席の2本立てだったので日替りで志の輔、小遊三、伯山達。さて爆笑問題って日の3日前、また家の電話が鳴って「爆笑の田中さんが脳梗塞に……」。急拠私が舞台へあがって太田光と“爆笑大問題”を披露。

 そんな中、大阪の方では大好きだった“チャンバラトリオ”のゆうき哲也が亡くなっている。コロナの中コツコツ書き留めた『ギャグ語辞典』を出版。笑芸界のバイブルだとごく一部にほめられる。明るいニュースは有吉と夏目結婚、これにはニッコリ。そして立川志らくの『グッとラック!』がたった1年半で終わった。バッドラックだった。

 チャーリー浜、そして元祖DV漫才ともいえる敏江・玲児の敏江も亡くなった。東京勢では「頭グルグル」で人気のあったコミックマジック・ナポレオンズのパルト小石の死去も2021年のこと。もう中学生再ブレークやら空気階段のコントも脚光。

 経営危機の寄席を皆なで救おうとクラウドファンディング。落語協会市馬会長、落語芸術協会昇太会長手をとりあい立ちあがる。

 ナイツの仕掛けでおぼん・こぼんが仲直りなんてニュースも。そうそう私が“漫才協会外部理事”になって話題になったのも(本当か)2021年のこと。

関連キーワード

関連記事

トピックス

24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
ネット上では苛烈な声を上げる残念な人がうごめいている(写真/イメージマート)
ネットで見かける残念な人たち…「朝ドラにイチャモン」“日本人じゃないと思う”の決めつけ【石原壮一郎さん考察】
NEWSポストセブン
荒川区には東京都交通局が運行している鉄道・バスが多い。都電荒川線もそのひとつ。都電荒川線「荒川遊園地前」そば(2020年写真撮影:小川裕夫)
《自治体による移動支援の狙いは》東京都はシルバーパス4割値下げ、荒川区は実質0円に 神戸市は高校生通学定期券0円
NEWSポストセブン
阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか
《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”
週刊ポスト
韓国整形での経験談を明かしたみみたん
《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
「戦争から逃れてアメリカ移住も…」米・ウクライナ人女性(23)無差別刺殺事件、犯人は“7年間で6回逮捕”の連続犯罪者
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン
大ヒット上映を続ける『国宝』の版元は…(主演の吉沢亮/時事通信フォト)
《映画『国宝』大ヒット》原作の版元なのに“製作委員会に入らなかった”朝日新聞社員はモヤモヤ  「どうせヒットしないだろう」とタカをくくって出資を渋った説も
週刊ポスト
米マサチューセッツ州で18歳の妊婦が失踪する事件が発生した(Facebookより)
【犯人はお腹の子の父親】「もし私が死んだらそれは彼のせい」プロムクイーン候補だった18歳妊婦の失踪事件「# findKylee(# カイリーを探せ)」が最悪の結末に《全米に衝撃》
NEWSポストセブン
不倫の「証拠」にも強弱がある(イメージ)
「不倫の“証拠”には『強い証拠』と『弱い証拠』がある」探偵歴15年のベテランが明かすまず集めるべき「不貞の決定的証拠」
NEWSポストセブン
違法賭博胴元・ボウヤーが激白した「水原と大谷、本当の関係」
《大谷から26億円送金》「ヘイ、イッペイ。翔平が前を歩いてるぜ」“違法賭博の胴元”ボウヤーが明かした「脅しの真相」、水原から伝えられていた“相棒の素顔”
NEWSポストセブン