スポーツ

大相撲「維持員」費用が年135万円にエグい値上げ これまでの約2倍に

年間69万円が135万円に(新しい維持員制度の説明書類)

年間69万円が135万円に(新しい維持員制度の説明書類)

 3場所連続優勝を目指す横綱・照ノ富士に土がつき、大相撲初場所の優勝争いの行方は混沌としてきた。その会場となる両国国技館で、関係者の間で話題となっているのが、今場所から登場した「維持員専用ラウンジ」である。土俵下の溜席で観戦する「維持員」のための新サービスだというが、その評判は必ずしも芳しくないようだ。

 維持員制度とは、協会に対して所定額の「維持費」を寄付した人たちが、土俵周りの「維持員席」での観戦が認められる制度のことを指す。新たに登場したのは、その維持員たちのための専用ラウンジだ。国技館2階でかつてレストラン「雷電」があった場所に位置する。昨年9月の秋場所まではプレスルームが置かれていた場所だが、それが「維持員専用ラウンジ」に改修されたのだ。
 
 この新たなラウンジについてマスコミへの広報発表はとくにないが、維持員たちに送られてきた資料によれば〈相撲競技鑑賞の合間のひとときをおくつろぎいただくための、維持員の方のみがご利用いただける専用スペース〉なのだという。席数は50席で、利用料金は無料だが、事前のウェブ予約制となっている。1時間ごとの入れ替え制(5部)で、セルフサービスながら日本酒、ビール、ワイン、ソフトドリンク、焼き鳥などが用意されるとの説明がある。

 航空会社が上級会員に向けて用意する空港のVIP専用ラウンジのようなイメージだが、維持員からは否定的な声も聞こえてくる。東京開催場所の維持員のひとりはこう言う。

「維持員っていうのは、土俵下の溜席から力士の技能審査をする立会人という位置付けです。その立会人に、アルコールを提供するサービスはおかしいんじゃないか」

 相撲協会の公式サイトによれば、維持員は〈力士の相撲競技を鑑賞し、力士の技量の実態を把握し、これを育成することで、相撲道の発展を計ることとします〉〈「維持員席」にて当該維持員の属する地区の本場所相撲競技に立ち合う事となります〉とある。そうした位置づけだけに、厳しい行動基準があるのはたしかだ。

 コロナ禍で国技館内は水分補給以外の飲食は禁止されているが、通常は桝席では相撲茶屋の浴衣にたっつけ袴姿の出方が運ぶビールや焼き鳥を飲食しながら観戦を楽しめる。それに対し、維持員が座る溜席では飲食が禁止。土俵の一番に集中し、弓取式が終了するまでの着席が義務付けられている。それだけに古株の維持員からは「ラウンジ」を疑問視する声が出たわけだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン