国内

コロナの女王・岡田晴恵氏がオミクロン株を解説「3密回避だけでは通用しない」

感染症対策の情報を発信している岡田晴恵・白鴎大教授

感染症対策の情報を発信している岡田晴恵・白鴎大教授

 ついに日本にも新型コロナウイルスの「第6波」が襲来した。急拡大するオミクロン株とはいったい何なのか。「コロナの女王」岡田晴恵・白鴎大教授が、オミクロン株に関するさまざまな疑問に答える。【全4回の第1回】

 * * *
Q. これまでの新型コロナと比べて重症化しない?

A. オミクロン株の場合、肺で増えるよりも、鼻や喉といった上気道で炎症を起こしやすいため、肺炎にはなりにくいのではないかという報告はあります。ただ、これは肺炎にならないと言っているわけではありません。肺炎になるリスクは低くなったのではないかということは推測されますが、感染力が強いために同時期に多くの感染者が出ることになります。WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は1月6日、デルタ株に比べて症状は重症化しない模様としつつも、オミクロン株を「軽度」に分類すべきではないとしています。

Q. オミクロン株の感染力はなぜ強い?

A. いくつかの研究データで、オミクロン株は主に喉や気管支の上気道で増えやすいとあります。そのためウイルスを外に出しやすく、さらにレプリケーション(複製)、つまりウイルスが増える速度も速いという特徴がある。そのため感染力は強いと言えます。

Q. 高齢者も軽症で済む?

A. まだ高齢者への影響についてはデータが少ないため、若年層を中心に重症化リスクが低い可能性は言われていますが、高齢者の割合が少ない海外のデータをもって、高齢化社会の日本の状況は計れないと思います。感染者の分母が莫大になれば、高齢者や基礎疾患を持つ人もいるため、重症になる人も出てくるはずです。

Q. オミクロン株は子供の感染が増える?

A. アメリカでは1月に17歳までの新規入院患者数が前週から倍増し、過去最高を更新しています。これまで子供に関しては新型コロナの重症化リスクは低いとされていましたが、オミクロン株に関しては今までの常識とは違うという認識をしなければなりません。

Q. これまでの感染対策でいい?

A. いわゆる「3密」(密集、密接、密閉)の回避だけでは通用しません。コロナ禍初期は、感染経路は接触感染と飛沫感染とされ、エアロゾル(空気中に漂う微粒子)感染と言うとすごく怒られましたがその後、エアロゾル感染が認められました。オミクロン株ではそのエアロゾル感染で「3密」でなくてもうつる可能性がある。まずは換気です。特に今は寒くても換気をよくする。プラス加湿です。不織布マスクを二重にしたらという声もあります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン