2002年の紅白に出演した際の有働由美子アナ(写真/共同通信社)

2002年の紅白に出演した際の有働由美子アナ(写真/共同通信社)

 立ち居振る舞いだけでなく、「アナウンス技術」にも違いがあると生島氏は語る。

「ふたりとも発声の基本トレーニングはバッチリできていますが、有働アナのほうが腹筋が強く、非常に落ち着いた声です。砂時計の砂がゆっくり落ちていくような心地良さがあり、聞いていて耳当たりが良い。今の彼女はニュースが中心ですが、本来は『あさイチ』のような生活情報番組に向いた声です。関西のおもしろキャラも活かせますしね(笑)。

 対する和久田アナは、ニュースでの声や表情の使い分けが非常に巧みです。例えば、深刻なニュースの時は真剣味を伝えるために、声のトーンを絶妙に落としたり、スポーツニュースの時は、冷静さを保ちつつワクワク感が伝わる声の出し方をしたりしている。非常に好感が持てます」

 一方で“新旧NHKエース”には、共通する一面がある。

 有働アナはジャーナリストを目指してNHKを退局したが、和久田アナにもそうした“高いジャーナリズム精神”が垣間見える。

 2020年9月に『ニュースウオッチ9』で和久田アナのインタビューを受けた自民党の井上信治・衆議院議員が語る。

「通常のインタビューには想定問答がありますが、和久田さんは少しアレンジした質問を投げかけてきました。終わったばかりの安倍政権が抱えていた公文書管理の問題について、『説明責任を果たしていないのではないか』という厳しい質問もありました。NHKはそうしたことを割とサラッと流すケースが多いのに、彼女は指摘してきたので驚きました」

 このインタビューは「和久田アナが公文書問題に切り込んでいる」とSNSで話題になった。

「本人も報道志向が強く、紅白司会などは“代わりがいないから引き受けている”のが実情。それでもそつなくこなせてしまうので、引く手あまたとなり、結果的にオールラウンダーになっている。本音では『ニュースウオッチ9』に集中したいはず」(前出・NHK局員)

※週刊ポスト2022年1月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン