国内

江戸川区元交際相手刺殺事件“DV監禁男”にされた被害者の無念

亡くなった佐藤優作さん(2019年9月、写真は佐藤さんのインスタグラムより)

亡くなった佐藤優作さん(2019年9月、写真は佐藤さんのインスタグラムより)

「優しくて、責任感のあるやつだったんです。最近も相手のことで悩んでいて。まさかこんなことになるなんて……。何よりも、事件からもうすぐ2週間になるというのに、亡くなった優作が悪者にされ、いわれのない誹謗中傷を受け続けていることが、がまんできません」

 そう悔しそうに話すのは、佐藤優作さん(享年25)の中学時代からの友人である。佐藤さんが東京・江戸川区内の自宅アパートから「元交際相手に刺された」と自ら警察に通報したのは、1月9日の午後3時半頃のことだった。

「佐藤さんはすぐに病院に搬送されたものの、約7時間後に出血性ショックで死亡が確認されました。警察は現場にいた自称アルバイトの倉木璃子(19才・仮名)を現行犯逮捕。倉木は台所にあった刃渡り約15cmの包丁で、スマホをいじりながらベッドで横になっていた佐藤さんの腹を突然刺したといいます」(全国紙社会部記者)

 倉木は取り調べに対し「逃げたい一心で刺した」「怖かった」「彼と離れたかった」などと供述した。それが大きく報じられると、インターネットを中心に、被害者であるはずの佐藤さんに心ない言葉が向けられるようになった。

「倉木さんが佐藤さんからDVを受けていたのでは、監禁されていたのでは、といった憶測が独り歩きし、あたかも佐藤さんが〝加害者〟であるかのような風評が広がった」(前出・全国紙社会部記者)

 だが、生前の佐藤さんを知る人たちが証言するのは、正反対の姿だ。佐藤さんは青森県青森市出身。高校卒業後は、市内のバーや建設会社で働いていた。

「周りにはけんかっ早い人も少なくないけれど、彼自身は争いごとが嫌いなタイプ。弱い立場の人に寄り添えるやつでした」(前出・友人)

 バイクが好きで、休日に仲間たちとツーリングに行くのを楽しみにしていたという。

 一方、倉木も同じく青森市出身。地元で出会ったふたりは、昨年初頭に交際を開始した。4月頃、一緒に上京し、事件現場となったアパートで暮らし始めた。当時、佐藤さんは友人たちにこう話していた。

「彼女は東京に知り合いがいない。おれには彼女の生活拠点を東京に移した責任があるから、苦労させないように頑張って働かないといけないんだ」

 建設会社で働いていた佐藤さんの勤務態度は真面目で、周囲からも慕われていた。だが、ほどなくしてふたりの同棲生活は暗転する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン