芸能

タモリ、ビートたけしら担当 『ANN』プロデューサーが明かすおもしろさの秘密

8年間の歴史に幕を閉じる『バイキング』の前、フジテレビのお昼の顔だった

タモリが『ANN』を担当したのは1983年まで。その前年にはフジテレビ系列で『森田一義アワー 笑っていいとも!』が始まった

 ニッポン放送のラジオ深夜番組『オールナイトニッポン』(以下『ANN』)が今年、放送開始55周年を迎える。数々の社会現象を巻き起こした怪物番組の舞台裏とは──。1970〜1980年代の『ANN』を彩った、タモリ、ビートたけし、中島みゆきのときの番組プロデューサーだったのが、メディアプロデューサー、パーソナリティーの土屋夏彦さんだ。タモリの番組は入社2年目で担当した。

「タモリさんは1976年から1983年までパーソナリティーを務めましたが、私が担当したのは最後の1年。番組開始当初は無名だったタモリさんも、この頃にはスターダムにのし上がっていました」(土屋さん・以下同)

『ANN』のパーソナリティーに抜擢された当初のタモリは、漫画家の故・赤塚不二夫さんの家に居候し、でたらめな外国語のコントなどを披露していた。そのアングラな笑いが反響を呼んだ。

「一緒に番組を作っていて感じたのは、タモリさんは相手のおもしろい部分を引き出すのがうまい“触媒”であること。構成作家、ゲスト、そして、リスナーのはがきから、おもしろい部分を見つけて引き出す。自分の話は一切せず、まわりを“いじる”のが上手なんです」

 たとえばこんなことがあった。タモリの『ANN』を担当する構成作家が、無断欠勤した。するとタモリはリスナーに、「来なかった理由を当てた人に、本人から1万円を贈呈します」と宣言。

「そんなことになっているとは知らない構成作家は、翌週に欠勤理由を番組で話します。それをリスナーは大笑いしながら聴くわけです。しかも、何十人ものリスナーが欠勤理由を的中させたはがきを投稿していた。そしてタモリさんは構成作家に“(自腹で)1万円を払え”と迫るのです」

 構成作家は泣いてスタジオを飛び出し、レコード室にこもってしまったという。

「それすらも中継しましたからね(笑い)。悪ノリではありますが、リスナーと共に楽しんでいるので“共ノリ”なんです。こういうことができたのが、当時のラジオでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン